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03話

登場人物

シンタニ 大型貨物船「ジョニー」の乗員

ホリベ 乗客 火星鉱物資源探索会社勤務エンジニア

ヤナギサワ 乗客 同事務員

オハル ジュニーを管理するAI


03話

〇大型貨物船「ジョニー」船内ブリーフィングルーム

 中央に丸テーブル。椅子三脚。

 ヤナギサワ、ホリベは机や椅子の片付けを止める

 シンタニ立ち

ヤナギサワ「それてで?つまり?」

シンタニ「つまり」

ヤナギサワ「あーっ怖い事だったら言わなくていいですよ。」

シンタニ「つまり、この船に密航者が乗り込んだって事だ。」

ヤナギサワ「みみみみみ密航者?密航者って、あの?」

シンタニ「そうです。あの密航者です。」

 「2人と入れ替わっている可能性が高いっ。」

ヤナギサワ「そんな事が可能なのでしょうか。」

シンタニ「実際こんな事態になっている。」

ホリベ「それじゃあそいつら叩き起こして私達が入れ替われば。」

シンタニ「それをさせないためにいろいろと削除したんじゃあないのかと。」

ヤナギサワ「密航者ってバレたらどうなります?」

シンタニ「どうって、今更強制送還も途中下船もできないし」

 「ひとまず監禁して月で港の警備員だかに引き渡す。」

ホリベ「会社が乗乗客の数を間違えて搭乗させたかって話ですよ。」

ヤナギサワ「そんな適当な会社?」

シンタニ「オハル、乗員と作業員名簿の閲覧。}

オハル「名簿、は、存在しません。」

ヤナギサワ「見てどうするんです?」

シンタニ「数えたら判るかと。」

ホリベ「名簿に名前載せていたらそれはもう普通に乗客かと。」

シンタニ「オハル、防犯カメラのログは残っているか?」

オハル「すべての、カメラの利用は、設定が必要です。」

ヤナギサワ「犯人捜しは不可能って事ですか?」

ホリベ「でもあれですね。オハルは乗員の認識はしているようですね。」

シンタニー「制服で見分けているとか?」

ヤナギサワ「あの、そもそもオハルさんて誰?何?」

ホリベ「optimum honest accurate logic略してオハル。」

ヤナギサワ「訳すと?」

オハル「最適誠実正確な論理を展開する最新AIです。」

ヤナギサワ「自分で言った。」

ホリベ「アリスシステムでよかったのに。」

ヤナギサワ「アリスとは?」

ホリベ「「Alternative Intellect Celestial-space。略してalice。」

ヤナギサワ「訳すと?」

シンタニ「宇宙における代替え思考AI。私の船はそれでした。」

ホリベ「型は古いですがその分動作は安定しています。」

ヤナギサワ「そうなんですね。」

ホリベ「火星で運用されているのもアリスから書き換えが増えましたね。」

シンタニ「オハルさんは私も初対面です。」

ホリベ「より人間的なAIだそうですがそんな曖昧さは求めていない。」

 「アリスさんとはそこそこ長い間濃密な時を過ごしてきたので」

 「アリスさんのアレやコレやらは知っているつもりです。」

ヤナギサワ「なんていかがわしい。」

ホリベ「船内にアリス使っている端末でもあれば戻せます。」

シンタニ「同期の必要があるからな。このままオハルさんに任せるしかない。」

ホリベ「不安しかない。」

シンタニ「さて、色々と決めないと。各自の寝床の確保とか。」

ヤナギサワ「普通に皆さんが起きた後はどうなる予定なのでしょう?」

シンタニ「就寝はそのまま冬眠用ベッドを使う。それ以外はここで過ごす。」

ホリベ「貨物船ですからね。客室も娯楽室もないか。」

シンタニ「個室と呼べるのはトイレかシャワールームくらいかな。」

ヤナギサワ「私は貨物室で構いませんよ。貨物室のサイズに較べてコンテナ少ないですから。」

シンタニ「冬眠装置のマットの予備はあるはず。」

ヤナギサワ「ではそれをお借りします。乗員さんは?」

シンタニ「乗員は元々操舵室で寝起きするので問題ありません。」

ホリベ「え?いいの?では残りの一つの冬眠装置をベッド代わりに使って。」

ヤナギサワ「そういえば一つ空いているって言ってましたね。」

シンタニ「お2人に乗員用の端末をお渡ししておきます。」

 シンタニ、机の上のタブレット端末をヤナギサワとホリベに手渡す

ヤナギサワ「なんのために?」

シンタニ「アラートの共有です。ただ就寝以外はなるべくこの部屋で過ごしましょう。」

ホリベ「まだ何か起こると?」

シンタニ「何かが起きたらすぐに対処できるようにです。」

ヤナギサワ「何かって何です?未知の生命体が乗り込んできたらこれで殴れと?」

シンタニ「オハル、システムは正常か?」

オハル「予期しないエラーが発生。」

シンタニ「だめか。」

ホリベ「一体何の事か。この端末で探っていいですかね。」

シンタニ「全部消えたりしない?」

ホリベ「初期化して設定からやり直した方が早そう。」

ヤナギサワ「あの、一つ確認したい事があります。生命維持装置は正常稼働していますよね。」

シンタニ「オハル。生命維持装置の稼働確認。」

オハル「酸素供給、二酸化炭素除去、異常なし。」

ヤナギサワ「それって、何人前ですか?」

ホリベ「あ。初期設定のままなら乗員1名分だけだ。」

ヤナギサワ「船が広いからすぐには尽きないでしょうけど。もし1人前なら。1

シンタニ「オハル、生命維持設定変更。覚醒している者は3名。」

オハル「予期しないエラーが発生。」

ホリベ「生命維持ユニットで直接入力できるか見てきます。」

 ホリベ、ブリーフィングルームから上手へ退出。端末は所持。

ヤナギサワ「修正できますかね。」

シンタニ「手動も可能ですよ。電力も別バッテリーだから多分大丈夫。」

オハル「予期しないエラーが、解消されました。」

シンタニ「は?オハル、説明を。」

オハル「予期しないエラーは、生命維持ユニットに発生。」

ヤナギサワ「予期しないエラーってもしかして」

シンタニ「オハル、エラーの詳細を。」

オハル「予期しないエラーが発生しました。」

ヤナギサワ「もしかしてあの人が密航者?」

 シンタニ、自分の端末に目を落とし操作。

オハル「予期しないエラーの、隔離、を、推奨。」

ヤナギサワ「え?え?エラーの隔離って何。」

シンタニ「え?ああ、まあ。」

 シンタニ、顔を上げず端末を操作

ヤナギサワ「ちょっと、端末なんて見ていないで何とかしないと。」

オハル「予期しないエラー、が発生中。」

シンタニ「オハル、船内放送。」

オハル「実行可能。」

シンタニ「貨物室で異常を検知した。確認を。」

ヤナギサワ「異常?異常って?私も」

オハル「予期しないエラー、は、貨物室、に、移動。」

シンタニ「オハル、貨物室の閉鎖だ。」

オハル「貨物室、閉鎖。実行。」

ヤナギサワ「貨物室に監禁ですか?ちょっとそれはどうかと。」

オハル「貨物室、減圧開始、実行。」

シンタニ「おいっ。そんなコマンド出していないぞ。」

ヤナギサワ「え?ええ?減圧って?何?何が起きているの?」


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