表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/16

09話

登場人物

シンタニ 大型貨物船「ジョニー」の乗員

ホリベ 乗客 火星鉱物資源探索会社勤務エンジニア

ヤナギサワ 乗客 同事務員

オハル ジョニーを管理するAI


09話

〇大型貨物船「ジョニー」船内ブリーフィングルーム

 中央に丸テーブル。椅子三脚。

シンタニ、ヤナギサワ立ち、正面モニター。、ホリベ、着座で端末操作。

オハル「音声データはここまでです。」

シンタニ「この後港から居住区に入ったんだな。」

ホリベ「オハル、今のタイムログ一番カメラだけ映してくれ。」

オハル「再生します。」

シンタニ「どうした。何か映っているのか。」

ホリベ「会話が終わったすぐ後、港に一瞬影が映ったような。」

オハル「艦影のようです。」

ヤナギサワ「艦影?軍艦って事?」

ホリベ「大佐って呼んでいたし軍関係かと。オハル、会話の言語は?」

オハル「英語です。」

ホリベ「議会連合軍か。まあ大丈夫か。」

ヤナギサワ「大丈夫って何です。大丈夫じゃない軍隊もあるって事ですか?」

ホリベ「それでどうします。」

シンタニ「どうって?」

ホリベ「上陸するのかしないのか。」

シンタニ「上陸ってどうやって。」

ホリベ「あの小型貨物の遠隔操作は可能です。」

ヤナギサワ「上陸って、防護服着た人が感染がどうこう言っていましたよね。」

ホリベ「いや私達が上陸するのではなくあの小型船です。」

シンタニ「上陸させてどうする。中の誰かに荷物積んでもらうのか?」

ホリベ「あの船を接弦してジャンクヤードのシステムと接続できれば中の様子が判るかと。」

シンタニ「さらっと言っているけどさらっと出来るものなのか?」

ホリベ「できるかも。できないかも。」

ヤナギサワ「もうやめてとっとと出発しましょう。遅れればそれだけ窒素と食料の消費が増えますよ。」

シンタニ「うーん。試してくれ。私はもう少しカメラログを遡ってみる。」

ヤナギサワ「食料があっても空気感染していたら食べられませんよ?」

 警報音

オハル「大型船が法定速度を超えて接近しています。衝突コースです。」

シンタニ「回避行動だ。二人とも衝撃に備えて。」

 「全員衝撃に備えろっ。」

ホリベ「何で言い直した。さっきの軍艦が戻ってきたのか。」

オハル「否定します。登録された船体ではありません。」

 「この船は衝突コースにありません。」

シンタニ「するってえと何と衝突するのかね。」

オハル「再計算中です。応答にも応じません。」

 「このままでは経由地ゴミ置き場に衝突します。」

シンタニ「オハル、念のため距離を取って。衝突の衝撃や破壊の破片に備える。」

オハル「おお、乗員らしい。本物の乗員のようだ。標準カメラに捕捉。モニター表示します。」

 ホリベ立ち上がりモニターを見る

ホリベ「確かに軍艦ではないが、これは」

ヤナギサワ「登録されていない船って、まさかですけど」

シンタニ「海賊船だ。オハル通信を繋げてくれ」

オハル「接続していますが応答がありません。」

シンタニ「呼びかけてみる。こちら大型貨物船ジョニー。」

 「ジャンクヤードに接近中の大型船、速度を落とせ、衝突するぞ。」

 「こちら大型貨物船ジョニー。コード、ブライ。おいっ聞こえないのか。」

オハル「応答がありません。」

ホリベ「オハルっその船の中の通信周波数を調べてくれ。」

 ホリベ端末を操作

オハル「解析します。完了しました。」

ホリベ「間に合え、間に合え。入った。オハル、航海日誌をこちらのサーバーにコピーだ。」

オハル「検索します。検索完了しました。航海日誌をコピーします。」

シンタニ「さらっとすごい事やっている気がするけど?」

ホリベ「改造されまくってるのか操舵システムがまともじゃあない。」

ヤナギサワ「いえ、改造のせいではありません。見てください。」

 ホリベ、顔を上げモニターを確認

ホリベ「なんだこれ、何があった。」

ヤナギサワ「あれってエアー漏れですよね。隔壁効いてませんよね。」

シンタニ「さっきの軍艦と一戦交えたとか。」

オハル「衝突します。ゴミ置き場中央部分。」

ヤナギサワ「ひぃっ。」

シンタニ「狙ったようにど真ん中に。」

ホリベ「オハル、あの船の動力は稼働しているか?」

オハル「引力推進の稼働は確認されません。」

ホリベ「それじゃあ狙ったんですよ。」

シンタニ「は?何言っているの。軍艦が海賊船沈めて中継基地にぶつけたって事か?」

ヤナギサワ「どうしてそんな事。」

ホリベ「意図的だとしたら、オハル、緊急離脱だ。この」

 暗転

 明転

〇大型貨物船「ジョニー」船内ブリーフィングルーム

 机、椅子がいくつか倒れている。

 シンタニ、ヤナギサワ、ホリベ床に倒れている。

 シンタニ起き上がり

シンタニ「オハル、被害報告。」

オハル「軽微。重大な損傷はありません。各種システム正常に稼働中。」

 ヤナギサワ、ホリベ起き上がる。

ヤナギサワ「一体何があったんですか。」

ホリベ「海賊船の爆発です。規模が小さくて助かった。」

オハル「ゴミ置き場に重大な損傷を認めます。」

 「火星周回軌道からの離脱を確認。」

 ヤナギサワ、足元の端末を拾い上げてからモニターを目にする

ヤナギサワ「あの、あのっ、これって、ひ、人じゃあありせんか。」

シンタニ「オハル、コース設定。月に向かって出発だ。」

オハル「出発します。」

ヤナギサワ「え?ええ?このまま放置ですか?」

シンタニ「この船にできることはない。オハル、一部始終録画したな?」

オハル「現在も録画中です。停止しますか?」

シンタニ「見えなくなるまで録画は続けてくれ、モニターにも端末にも映さなくていい。」

オハル「承知しました。」

 「ただ、1つよろしいでしょうか。」

シンタニ「どうした。」

オハル「軍艦らしき船からの音声データの続きの解析が完了しました。」

 「気になる発言があります。」

シンタニ「流してくれ。」

オハル「(大佐の声色)火星からの船は全て食い止めなければ。」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ