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第二十一話:ノクティルーカVS八岐大蛇(後編)

「はーいはい。お楽しみのとこ悪いけど、パーティは中止だよ。鳥は鳥かご、犬は犬小屋、豚は豚箱に帰さないと。女は大人しくしてれば悪い様にはしないから」


 下に飛び降りながらそう言った。


「おおおお、噂をすればヒーロー様のおいでじゃないか。みんな拍手で迎えてやろうぜ」


 真ん中男、八岐大蛇がそう言った。苦手なノリだ。

 あーあ、イケメンだな。だいたい20代後半くらいか? ムカついてきた。


「でもさぁ、俺はこの生活やめたくないわけ。でだ、お前も男だろ? 仕方ないから、今夜一晩だけこの部屋とこいつらを貸してやるから、それで俺の仲間になってくれないかな」

 

 なんかパンイチでこちらに歩きながら語ってくる。

 不愉快だ。


「断る」

「おいおい、お前も男なら最高だろ。喜んでいいんだぜ」

「俺には婚約者がいるんでな。そうでなくても俺の仲間の足の爪にも及ばないカスなんか興味ねぇよ」

「は? ……ぶふ」


 男が大笑いし始める。女たちもそれに続いた。

 やっぱ苦手なノリ。不愉快だ。


「おもしれぇこと言う。あの方のコネで貰った最高級の女だぜ?」

「性格の話だ、バーカ」

「ぐふっ」


 男がおれの目の前で蹲った。

 何をしたかって、ただ股間を軽く蹴りあげただけだ。


「おま……、それはダメだろ……」

「いやぁ、不愉快だったもんでつい」

「そうかよ。てめぇは青臭い人生でも送ってろ」


 距離を取った男はゆっくりと立ち上がった。蒼い顔は治りつつある。

 急に強い衝撃を感じた。体は吹き飛ばされ、その部屋の扉を突き破っていった。


「すげぇだろ。玉蹴られた痛みも、多少の怪我も簡単に治っちまうんだ。俺は強人の最高傑作なんでな」

「へぇ、そう」


 みるとそいつは、既に鎧を着こみ七本のアームを背に携えていた。

 あの鎧って、裸の上に着るのが普通なのか?


「いい機会だ。ヒュドラと八岐大蛇、どっちが強いか決着決めようか」


 ヒュドラファングを起動し攻撃する。

 腕をアームに掴まれ、振り飛ばされる。

 倒れていたところへ、アームの連撃が飛んできた。防御の態勢をとるがテスラニウム製だからか、多少ダメージを負ってしまう。

 

「光属性魔術:女神の栄光(ヘラクレス・カース)!」


 身体強化魔術をかける。

 その状態で少々攻撃を受けながらも八岐大蛇本体の頭を掴み、床にたたきつけた。


「確かに口だけじゃないな」


 今までの奴らとはレベルが違う。本人自身が格闘経験もある動きだ。それも結構な練度。戦い慣れている。

 アームの数も厄介。一度に受け止められる数は限られているし、水闘気を当てても斬っても壊してもすぐに復活する。スカイボムを当ててもすぐに切り離し新しい腕をはやす。


「ペック、ホワイトボムだ!」


 愛歌が作った最後のボム、ホワイトボム。強い衝撃を与えると化学反応で発光する。つまり目くらましになる。仮面をつけてる俺には影響がない。

 それで目をくらました後ウィップを足首を刺し、引っ張って転ばせ、アームと四肢をそれぞれブルーボムで床に張り付けていく。


「ヒュドラファング!」


 そして床に磔になっている八岐大蛇に、鎧を壊すため連撃を行う。

 ブルーボムを剥がそうとアームが暴れていた。逃げられる前に倒さないと。

 そしてやっと鎧を剥がし中身を出し、ヴェノムファングを起動した。


「ヴェノムファング!」


 その指を振り下ろそうとしたとき、張り付けられていたアームの辺りから床が崩れ落ちた。

 連撃の衝撃とアーム強い力で暴れていた事で、床がだいぶダメージを受けていたようだ。

 ヴェノムファングは外してしまった。


「やべぇ、充電が!」


 目の前が真っ暗になった。ファングに電力を裂き過ぎたことで、スーツのエネルギーが尽きたのだ。

 仮面をオフモードに切り替え視界を確保する。

 せっかく壊した鎧も修繕されていくのを見ながら階下へ落ちていく。


「あーもう!」


 しかし俺の方が一瞬先に状況を把握した。アームの一本を掴み、下に投げる。

 鎧の重みもあり、さらに床を突き抜け落ちてゆく。八岐大蛇も状況を理解し反撃してくる。

 そうしている間にも俺たちは殴り合いを続ける。

 その衝撃で加えて階下へ、階下へと床を突き破り落下していく。

 最後には広い空間に出た。

 このビルは11階より上が居住階、それより下はショッピングモールになっているのだ。ちょうど今いる位置は、一階まで吹き抜けになっているとこだった。

 俺たちは空中で殴り合いを続ける。


「きりがねぇな!」


 倒せないまま一階まで落下させればそこにいた人たちに被害が出る。戦いを継続してしまえば、余計にだろう。

 その前にこいつを気絶させないと。

  

「仕方ない! 死ぬなよ!」

 

 アームに大量の水闘気を放ち泥酔させる。


「うおりゃあ!」


 そして八岐大蛇の顔を掴み、落下する。そして八岐大蛇を床に叩きつけた。

 なんとか、気絶させることに成功したようだ。死んでもいない。頑丈だな。


「これで、アガニレス・エージェントとの戦いは終わったか。長かったな……」


 八岐大蛇を鎧から引き出し、素っ裸のまま拘束しておいた。


「早く帰らないとな」


 今後の事どうするか考えないとな。

やっぱり戦闘シーンは文字数が増えてしまいますね。

今回はなんか勢い任せになってしまいました。

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