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第八・五話:帰宅
愛歌の家を後にし家に帰った。
「どこに行ってたの?!」
ベランダから自分の部屋に入ると、母親がそれに気づき部屋に入ってきた。
なんで気づいた……。
「心配したよ! 警察にも通報したんだよ! なんで電話に出ないの!? 連絡しないの?! 世間じゃ酷いニュースばっかりやってるから、何かに巻き込まれたんじゃないかって心配で心配で!」
愛歌から聞いていた通り、脱獄事件は世間にかなりの影響を与えたらしい。
「ご、ごめん。……えっと、友達の家に泊まっててさ。スマホは……、そこにあるように家に忘れちゃって……」
嘘は無い。
「……友達、いたの? 家に泊まらせてくれるような友達が?」
自分の子に対してにひでぇ言い草だな……。
「1人くらいは」
「そう。それなら良かったけど……。次からは電話の1つくらいしてね。友達も貸してはくれるでしょ?」
「そうだね。わかったよ」
「夕飯、残してるけど食べる?」
「……、うんじゃあ、貰うよ」
超人になろうが、ヒーローになろうが、世界を救おうが、親は苦手だと思った。