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【第04回】第一幕・襲撃(04)博士の発明…………………#030〜#039

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#030■白鳥博士の家

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          街はずれの丘に建つ一軒家。

          木々に囲まれ、壁の一部に蔦が絡まる古い洋

          館。

          レイナのポルシェがやってきて、家の表に止

          まる。


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#031■同・玄関

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          ドアの前に立ちボタンを押すレイナ。

          ドア全体が認証システムになっている。

          スキャンされるレイナの全身。


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#032■同・玄関ホール

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          自動でドアが開き、入ってくるレイナ。

          外観と違って内部はモダンな造りになってい

          る。

      レイナ「おじいちゃーん、いる? レイナです」

          一瞬の静寂の後…突然の爆発音。

      レイナ「!?」

          急いで奥の研究室のほうへ走るレイナ。


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#033■同・研究室

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          駆け込んでくるレイナ。

          白煙が舞い上がる中、角のほうで座り込んで

          いる白鳥友蔵(67)。

          呆然とした顔はススだらけ、髪の毛はチリチ

          リになっている。

      レイナ「ゴホッ、(煙を払って)おじい…ちゃん! 

          大丈夫?」

     白鳥博士「(見て)おう、レイナか」

          中央の研究台の上には実験したと思われる機

          器の残骸。

          周辺の棚から本や器具などが落ち、あちこち

          散乱している。

      レイナ「(見回して)どうしたの? もしかして……

          また」

     白鳥博士「その通り、はは……失敗じゃ」


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#034■クロハラカンパニー・全景

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          威圧感のある黒いビル。

          シースルーのエレベーターが、外壁を静かに

          降りている。


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#035■同・エレベーターの中

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          雄司と彼の父親である黒原宗輔(53)が乗

          っている。

       黒原「半年も全然連絡もしないで、相変わらず遊び

          ほうけているようだな。進級できるのか?」

       雄司「たぶん」

       黒原「たぶん? そんないいかげんなことでは、こ

          の会社は継がせられんぞ」

       雄司「へえ、そのつもりだったんだ」

       黒原「憎まれ口を叩くな。……ところで、おまえの

          大学に白鳥…って娘がいるだろ?」

       雄司「レイナのことか。なんで親父が知ってるんだ

          ?」

       黒原「なんだ、おまえの彼女か?」

       雄司「そうしたいが、ありゃなかなか手強い。レイ

          ナがどうかしたのか?」

       黒原「いや、そうじゃない。その娘の爺さんのほう

          に興味がある」

       雄司「レイナの爺さん?」

       黒原「白鳥博士だ」

       雄司「博士?」

       黒原「ああ、世間ではあまり知られてないが、研究

          内容はノーベル賞クラスだろうな。だが変わ

          り者みたいだ。成果はどこにも発表していな

          い。ペテン師か、とんでもない天才かのどち

          らかだ」

          と、不敵に笑う。


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#036■同・地下通路

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          エレベーターのドアが開く。

       黒原「…ほう、そんなに美人なのか。一度見てみた

          いものだな」

       雄司「キャンパス・フェスティバルにくればいいだ

          ろ」

          そのまま歩いて、開発室の前にくる黒原と雄

          司。

          ガラス張りの向こうには…


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#037■同・開発室

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          工業用ロボットの試作品が並び、優秀そうな

          開発員たちが働いている。

          それらを眺めながら通路を歩く黒原と雄司。

          開発員の一人が一礼して通り過ぎる。

       黒原「我が社は工業製品の開発製造が主だ。私が一

          代でここまでの企業にした。最近はこのよう

          に工業用ロボットも開発しているが、こんな

          ことは他の企業もやっている…」

          退屈そうに聞いている雄司。

       黒原「この不況の折り、我が社も新製品を開発して

          乗り越えないといけない」

       雄司「今ここでやってるだろ」

       黒原「鈍い奴だな。ヒット商品のことだ」

       雄司「ヒット商品? レイナの爺さん? さっきか

          らなんのことだよ。いいかげん呼びつけたわ

          けを教えろよ」

       黒原「バカなことばっかりやってないで、たまには

          私の役に立てということだ」

       雄司「なんだよ、意味分かんねえ。説教だったら帰

          るぜ」

       黒原「つまりこういうことだ」

          と、雄司に耳打ちする。


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#038■白鳥博士の家・研究室

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          それぞれに片づけをしているレイナと博士。

     白鳥博士「すまんのう、レイナ」

      レイナ「また謝ってる。もう、慣れっこですぅ。…で

          も気をつけてよ。次は頭が禿げるかもよ」

     白鳥博士「(頭に手を当て)それは勘弁してくれ」

          レイナ、笑う。

          別の研究台に鎮座する山形の岩石(高さ50

          cm程)。

          その岩石に寄り掛かっているメタリックなリ

          ング(直径20cm程)。

          そして、下に落ちている蓋の開いた透明カプ

          セル。

          レイナ「おじいちゃん、さっきから気になっ

          てたんだけど、これなあに?」

     白鳥博士「ん?(気づいて)おっと、大変じゃ。さっき

          の爆発で吹き飛んだみたいじゃ」

          リングに顔を近づけるレイナ。

     白鳥博士「(制して)あ、あまり近づかんほうがいい。

          大事な孫娘に何かあったらいかんからな」

          レイナ、首を引っ込める。

          白鳥博士、透明カプセルを拾うと研究台に置

          く。

          リングを岩石から離した後、透明カプセルに

          納める。

          蓋をすると、リングが透明カプセルの中で浮

          き上がり、ゆっくりと回る。

      レイナ「わあ、すごい! これ、おじいちゃんがつく

          ったの?」

     白鳥博士「レイナ、いいかげん“おじいちゃん”はやめ

          てくれんか」

      レイナ「だって、私のおじいちゃんでしょ?」

     白鳥博士「おじいちゃんと言われると、いかにも年寄り

          の感じがしてのう」

      レイナ「じゃあ、教えていただけます? ドクター白

          鳥」

     白鳥博士「うむ。山形をしたこの岩石は、わしが創った

          新しい物質だ」

      レイナ「石英に似てるわね」

     白鳥博士「似て非なる物じゃ。そして岩石を加工してつ

          くったのが、このリングじゃ。“イーオン・

          リング”と名づけた」

      レイナ「イーオン・リング?」

     白鳥博士「このリングからは未知のエネルギーが発生し

          ておる。普段はエネルギーを遮断するこの特

          殊な透明カプセルに収納しておる。人体や他

          の研究に悪影響があるやもしれん。念のため

          じゃ」

      レイナ「悪影響って?」

     白鳥博士「まだ研究途中じゃ、はっきりしたことは分か

          らん」

      レイナ「そっちの岩石は大丈夫なの?」

     白鳥博士「これは豆腐でいうと絞り粕のオカラみたいな

          もんじゃ。問題ない」

      レイナ「なるほどね」

     白鳥博士「話はこれくらいにして、片づけの続きをしよ

          うかのう」

          再び片づけに取りかかるレイナと博士。

          微かに光を帯びるイーオン・リング。


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#039■大宇宙

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          高速で飛んでいく3つの光る球体。

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