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【第36回】第三幕・電撃(12)エピローグ…………………#270〜#277

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#270■F大学・表

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          正門に“キャンパス・フェスティバル”の看

          板があり、飾り付けがしてある。

          学生や一般の来訪者が往来している。


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#271■同・グラウンド

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          模擬店が並び、賑わっている。

          その中に私服の灰坂と茶山が歩いている。

       茶山「灰坂さん、なんか元気ないですね」

       灰坂「今日は無理矢理休暇を取ったのに、俺を誘う

          ことないだろ」

       茶山「まあまあ、いいじゃないですか。僕も非番だ

          けど、あの二人の張り込みも兼ねてるんです

          よ」

       灰坂「もう、いいんだ。あいつらとは関わりたくな

          い」

       茶山「ええ? どうしたんですか、あれほど執着し

          てたのに」

          離れた場所の喫煙所に目がいく灰坂。

          黒原が煙草を吸っている。

       茶山「知り合いですか?」

       灰坂「いや、クロハラカンパニーの黒原だ。武器を

          つくってテロリストに売っているらしい」

       茶山「逮捕しないんですか?」

       灰坂「噂にすぎん。証拠もない」


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#272■同・ある廊下

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          男子学生が走りながら他の男子学生たちに声

          をかける。

     男子学生「おい、もうすぐキャンパスクイーンコンテス

          トが始まるぞ」

          何かにぶつかる男子学生。

     男子学生「あ、ごめ……」


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#273■同・キャンパスクイーンコンテスト会場

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          思い思いに仮装をした学生たちで盛り上がっ

          ている。

          ステージでは“KISS”風のバンドがロッ

          クを演奏している。

          音楽に合わせ踊っている学生たちもいる。


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#274■同・ステージ裏

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          他のスタッフから離れた場所で、仮装した雄

          司と司会の学生がこそこそと話している。

       雄司「見返りにちゃんと就職先は斡旋してやるぜ。

          クロハラカンパニーとかどうだ?」

    司会の学生「ほ、ほんとですか?」

       雄司「ああ、(財布を出し)これもとっときな」

          と、一万円札を数枚渡す。

          周りを気にしながらポケットにしまう司会の

          学生。


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#275■同・キャンパスクイーンコンテスト会場

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          入口付近に黒原がいる。

          そこから離れた場所に灰坂と茶山。

       茶山「結局のところ、一連の事件はなんだったんで

          しょうね? あれからなんの動きもないし」

       灰坂「茶山、宇宙人を信じるか?」

       茶山「え? どうしたんですか、急に。そりゃ、い

          ると…」

       灰坂「黙ってたけどな、実は…」

          バンドの演奏が終わり、ステージの中央に歩

          み出る司会の学生。

       茶山「あ、始まりますよ」

          マイクで静かにするよう促す司会の学生。

       茶山「あ、何か言いました?」

       灰坂「いや、いい」

    司会の学生「えー、ただいまより今年のキャンパスクイー

          ンを発表しまーす」

          会場、薄暗くなり段々と静かになる。

          スポットライトが会場内を巡る。

    司会の学生「(手元の用紙を見て)なんと大学始まって以

          来の投票数です。えー、その投票により決定

          した今年のキャンパスクイーンは……(リン

          グアナ風に)白鳥レイナ〜!」

          スポットライトが会場を一巡したあと、プリ

          ンセスの衣装を着た一段と美しいレイナを照

          らす。

          胸元にはあのペンダントが光る。

          隣りにいる理恵や周りの学生たちが祝福の声

          をかける。

       茶山「(見とれて)おー、きれいなお姫様ですね」

       灰坂「ああ、ちょっと気が強いけどな」

          司会の学生に促され、愛想笑いでステージに

          上がる。

          会場、割れんばかりの拍手と歓声。

       司会「そしてキャンパスクイーンと踊る権利を獲得

          した幸せ者は……(会場の雄司を見る)」

          目で念を押す雄司。

       司会「く、黒原雄司〜!」

      レイナ「(げっ)!?」

          会場の拍手はパラパラだが、雄司の子分Aと

          子分Bだけは大きい。

          不愉快な表情のレイナ。

          不敵な笑みを浮かべ、左足を引きづりながら

          ステージへ向かう雄司。

          宙を仰いだ後なにげなく会場入口のほうを見

          るレイナ。

      レイナ「(微笑んで)!」

          さらに近づいてくる雄司。

      レイナ「(雄司に)こっちにこないで。あなたとは踊

          らないわ」

          ざわつく会場。

      レイナ「彼と踊るわ」

          レイナが指さした先にクリムゾンXが立って

          いる。

       雄司「(振り返り)あっ! あの野郎」

          どよめきが上がり、クリムゾンXに視線が集

          中しする。

       灰坂「あ、またかよ。いやな予感…」

          ステージから降りて、クリムゾンXのほうへ

          歩くレイナ。

          クリムゾンXもレイナのほうへ歩く。

          人の塊が二つに割れ、あちこちから口笛が鳴

          る。

          バンドがバラード演奏を始める。

          手を取り合って踊りだすクリムゾンXとレイ

          ナ。

          二人を恨めしく見ている雄司。

      レイナ「ねえ、ヒーローとして私を助けたの? それ

          とも…」

   クリムゾンX「なんのことでしょうか?」

      レイナ「とぼけちゃって」

          突然、会場が騒然となり人の固まりが崩れる。

          入口付近に傷だらけのシルバードが立ってい

          る。

          肘から折れた左腕をクリムゾンXに向けてい

          る。

          その中にロケット弾が装備されている。

          反射的にレイナを抱き込んで身を屈めるクリ

          ムゾンX。

      レイナ「!」

          灰坂、上着の内側に手を入れるが、拳銃はな

          い。

          思わず指鉄砲を出してしまう。

          シルバードの内部画像に表示される照準がク

          リムゾンXにロックオン。

          その時、フリスビーのように飛んできたイー

          オン・リングがシルバードの背中を直撃する。

          立ち上がり、戦闘態勢を取るクリムゾンX。

          絶叫があちこちで上がる。

          砕け散るシルバードの部品のひとつが、真っ

          直ぐ飛んで雄司の頭に当たる。

          気絶する雄司。

          身体が壊れ内部の機械類が露出したシルバー

          ド、断末魔の叫びを上げ崩れ落ちる。

          混乱する学生たちの間から現れるシルエット、

          それは白鳥博士。

   クリムゾンX「は、博士!」

      レイナ「おじいちゃん?!」

     白鳥博士「クリムゾンX、反応が遅いのう」

          と、クリムゾンXとレイナのほうへ。

          出ていこうにも混雑で身動きが取れない灰坂

          と茶山。

          シルバードの側に落ちているイーオン・リン

          グを拾う白鳥博士。

          黒原の側に落ちているシルバードの残骸の一

          部。

       黒原「(見て)……」

     白鳥博士「恋はヒーローの勘も鈍らせるんじゃな。学会

          で発表しようかのう」

      レイナ「なにバカなこと言ってるの」

   クリムゾンX「あ、イーオン・リングが……」

          変形し平べったくなっているイーオン・リン

          グ。

     白鳥博士「改良したんじゃ。ところで呑気に踊っている

          場合じゃないぞ、CX」

   クリムゾンX「CX?」

     白鳥博士「クリムゾンXを略したんじゃ。このほうが呼

          びやすいじゃろ」

      レイナ「おじいちゃん、何があったの?」

     白鳥博士「うむ、詳しいことは後じゃ。クリムゾンX、

          君の力が必要じゃ。一緒にきてくれ」

   クリムゾンX「分かりました」

     白鳥博士「レイナ、おまえもついでじゃ」

      レイナ「ついで?」

     白鳥博士「(促す)急ぐんじゃ!」

          残骸の一部を拾ってポケットにしまう黒原。

          混雑から抜け出す灰坂と茶山。

          もうクリムゾンX、レイナ、白鳥博士の姿は

          ない。


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#276■同・構内

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          白鳥博士。その前をレイナ。

          そして、先頭を走るクリムゾンX。

          ストップ・モーションになり……。


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#277■エンド・タイトル

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To Be Continued……


CRIMSON X Will Return


PLUSMAKER presents

CRIMSON X and the CHASERS OF THE AEON RING

PRODUCED by TATEBO & YOKOBO

WRITTEN by TATEBO

BASED ON STORY by NONA KAMICHI


Copyright(C)2010 PLUSMAKER Some Rights Reserved.

多少の謎は残っておるが今回をもって「クリムゾンX」は終了じゃ。長い間、読んでもらって感謝しておる。アクセス次第では続編があるかも知れんぞ。次回作でお目にかかろう。

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