【第34回】第三幕・電撃(10)勝敗の行方…………………#260〜#265
——————————————————————————————
#260■同・鉄塔の下
——————————————————————————————
そのまま転がって地上に落ち、大きくバウン
ドしていくイーオン・リング。
そして離れたところの堆い土砂の頂上で垂直
に突き刺さって止まる。
——————————————————————————————
#261■同・鉄塔の上
——————————————————————————————
中鉈を逆手にして、クリムゾンXを刺そうと
するゴールドス大王。
素早く反転するクリムゾンX。
次々と襲ってくる中鉈の刃。
倒れたまま右に左に動くクリムゾンX。
身体を揺すりロープを解こうとするレイナ、
ペンダントに温もりを感じる。
レイナ「あ、これって?」
次の瞬間、ペンダントから光が放たれ、ゴー
ルドス大王の頭部に当たる。
ゴールドス大王「ギャッ、何よ、これ!」
と、ふらふらとなり背中から柵を越え落下す
る。
立ち上がるクリムゾンX。
クリムゾンX「今のは?」
レイナ「(首を振って)ペンダントが勝手に…」
レイナを縛っているロープが外れる。
クリムゾンX「ここを動かないでください」
と、地上に飛び降りるクリムゾンX。
真下の鉄骨に掴まっていたゴールドス大王、
飛び降りてくるクリムゾンXに背後から襲い
かかる。
クリムゾンXが下になり、そのまま地上に激
突する。
レイナ「(覗き込んで)X!」
動かないクリムゾンXとゴールドス大王。
レイナ、鉄塔の梯子で降りようとする。
——————————————————————————————
#262■同・鉄塔の下
——————————————————————————————
ムクッと立ち上がり落ちている中鉈を拾うゴ
ールドス大王。
ゴールドス大王「ふん、このあたしに勝てるわけないでしょ」
と、中鉈を構える。
灰坂の声「動くな!」
振り向くゴールドス大王。
拳銃を向けている灰坂。
ゴールドス大王「おや、なんだい? ショータイムの邪魔よ」
と、近づいていく。
灰坂「お、おまえは何者だ?」
ゴールドス大王「あたし?(ドスを利かせて)あたしはゴール
ドス大王様よ」
と、口を大きく開け灰坂に息を吹きかける。
あまりの臭さに朦朧となる灰坂。
中鉈の柄で灰坂を殴るゴールドス大王。
その場に倒れる灰坂。
ゴールドス大王「ふん、バカな地球人め」
ゴールドス大王の背後からXソードが飛んで
くる。
気づいて身体をくねらし、Xソードを跳ね返
すゴールドス大王。
ゴールドス大王の背後の地面に突き刺さるX
ソード。
向かい合うクリムゾンXとゴールドス大王。
ゴールドス大王「後ろからとは卑怯よ」
クリムゾンX「(構える)おまえから言われたくない」
轟音と共に雷がプレハブに落ちる。
ゴールドス大王「おー、すばらしい演出だわ。さあ、かかって
らっしゃい。八つ裂きにしてあげるわ」
と、中鉈を上段に構える。
雷がさらに激しくなる。
クリムゾンX「(空を見て)……」
ゴールドス大王「おや、どうしたの? この期に及んで怖じ気
づいたのかしら?」
——————————————————————————————
#263■同・鉄塔の梯子
——————————————————————————————
揺れが大きくなり、なかなか降りられないレ
イナ。
レイナ「(見上げて)ここに雷が落ちそう、早く降り
なきゃ」
と、梯子の一本に片足を降ろすが折れてしま
う。
レイナ「きゃあ!」
——————————————————————————————
#264■同・敷地の中央辺り
——————————————————————————————
クリムゾンX「(中鉈を見る)……」
ゴールドス大王「はは〜ん、雷がこの中鉈に落ちるのを待って
いるのね。おあいにく、あたしはそんなもの
じゃ死なないわ」
次の瞬間、大地を揺るがす程の轟音。
青白い閃光が堆い土砂の上のイーオン・リン
グに落ちる。
同時に、イーオン・リングとゴールドス大王
の中間に立っていたクリムゾンXは、大きく
ジャンプする。
雷のエネルギーがイーオン・リングに溜まり
増幅する。
そして電気の環が飛び出し、ゴールドス大王
を直撃する。
衝撃で有刺鉄線まで飛ばされる。
ゴールドス大王「ぬうぉ! 何よ!」
有刺鉄線に絡まって動けないゴールドス大王。
Xソードを地面から抜くクリムゾンX。
再び電気の環が飛び出し、ゴールドス大王の
ほうへ。
ゴールドス大王「ギャァァァァァァァァァー」
電気のベールに包まれ身体中が震えるゴール
ドス大王。
囲んでいる有刺鉄線にも電気が走る。
Xソードを構え見据えているクリムゾンX。
やがて感電が収まるが、所々黒焦げになり煙
が出ているゴールドス大王。
クリムゾンX、走り寄ってゴールドス大王に
一太刀を浴びせる。
ゴールドス大王「グァアーーー」
有刺鉄線から外れ、よろけ出るゴールドス大
王。
——————————————————————————————
#265■同・鉄塔の梯子
——————————————————————————————
レイナ「やった!」