【第28回】第三幕・電撃(04)刑事の尾行…………………#202〜#207
——————————————————————————————
#202■街の上空
——————————————————————————————
追尾球が飛んでいる。
——————————————————————————————
#203■ショッピングセンター・全景
——————————————————————————————
——————————————————————————————
#204■同・あるショップ
——————————————————————————————
洋服の品定めをしているレイナ。
——————————————————————————————
#205■同・駐車場
——————————————————————————————
レイナのポルシェが止まっている。
その側で自転車に乗った健が眺めている。
ショップの袋を提げやってくるレイナ、健に
気づく。
レイナ「その車は売り物じゃないわよ」
健、振り向く。
レイナ「私を付けてきたの?」
健「いや、通りがかっただけ。この車があったか
ら待ってた」
レイナ「今日は大学にきてなかったわね。どこに行っ
てたの?」
健「博士のところで手伝いを」
レイナ「嘘よ」
健「実はデートだった」
レイナ「それも嘘」
健「嘘じゃなかったら気になる?」
レイナ「なりませんけど」
レイナの肩越しから一点を見つめる健。
レイナ「?」
健「尾行されてたんじゃないか?」
レイナ「え?」
振り返るレイナ。
灰坂と茶山が離れた所に立って見ている。
健「刑事だろ」
レイナ「一度会ったわ。でもなんで知ってるの?」
健「こっちにくるぞ」
——————————————————————————————
#206■同・飲食ホール
——————————————————————————————
全面ガラスの窓際。
健とレイナ、テーブルを挟んで灰坂と茶山。
レイナ「…そんなこと言われても困ります。その目撃
情報はちょっと違います。私たちは通りがか
っただけですから」
茶山「でも運転していたのは、あなたですね?」
レイナ「ええ」
茶山「助手席にいたのは、たしか(健に)あなたで
すね」
健「(頷く)…」
手帳に書き込んでいる茶山。
レイナ「その時間帯にあの場所の近くを通った車は何
台もいたんでしょう」
茶山「まあ、確かに」
灰坂「どこかにいった帰りですか?」
レイナ「(ツンと)プライベートなことはお答えでき
ません」
茶山「…ですよね」
灰坂「(健をじっと見て)君とはどこかで会ったよ
うな気がする」
健「(見返し)いやあ、ないと思いますけど」
灰坂「(レイナに)この前は聞き忘れましたが、あ
なたのご祖父は博士らしいですね」
レイナ「(きっぱりと)らしいじゃなくて博士です。
でもそれは関係ないでしょ。だいたい私たち
を犯人扱いしてませんか?」
茶山「(灰坂をチラッと)とんでもない。そうじゃ
なく情報を集めているだけで…」
灰坂「…君たちは恋人同士か?」
健「そうです。何か問題でも?」
目を丸くして健を見るレイナ。
レイナ「(はあ? 大ありよ)……」
——————————————————————————————
#207■同・入口付近
——————————————————————————————
出てくる健とレイナ。
レイナ「なんで恋人同士って言ったのよ?」
健「そのほうが一緒にいた理由が明確だろ」
レイナ「迷惑な理由だわ」
後ろからやってくる灰坂と茶山。
ポルシェに乗り込むレイナと自転車で走り去
る健を見ている。
灰坂「小娘がポルシェかよ」
茶山「彼女たちは何も知らないんですよ」
灰坂「バカか、よく考えてみろ。2つの事件の場所
にあの娘がいたかも知れないんだ。おかしい
だろ?」
茶山「偶然が重なったんですよ。なんなら任意同行
したらどうです?」
灰坂「いいや、泳がしていずれ尻尾をつかんでやる
さ。何かあるのは間違いない。もしかしたら
昨日の海浜公園にもいたかもな」
茶山「それも長年の勘ですか?」
灰坂「そうだ。今後も尾行は続けるぞ」




