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【第21回】第二幕・追撃(10)鼠を捜せ……………………#150〜#164

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#150■岬

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          眼下の岩場に激しく打ち寄せる波。 

          古い外観で5階建てのホテルが廃墟となって

          いる。

          窓ガラスは割れ、壁の塗装は剥げている。

          

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#151■廃墟のホテル・4階踊り場

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          黒ずくめの男、階段に腰かけて透明カプセル

          から取り出したイーオン・リングを眺めてい

          る。


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#152■同・表

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          健とレイナ、身を隠しながらくる。

      レイナ「ひどいと思わない? イーオン・リングの他

          に、おじいちゃんの研究データも盗んでいく

          なんて」

        健「いや、研究データが本命だろう。イーオン・

          リングの事は誰も知らない。俺たち以外は」


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#153■同・エントランス

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          薄暗く埃にまみれ荒れ果てている。

          床にはゴミや壊れた物が散在している。

          周りを窺いながら入ってくる健とレイナ。

      レイナ「(鼻を塞いで)うっ、変な臭い…」

          黒ずくめの男のバイクが止めてある。

      レイナ「(見て)やっぱり」

        健「(見回して)どこだ」

          レイナ、歩いた拍子に落ちている空き缶を蹴

          ってしまう。

          音を立て転がっていく空き缶。

        健「(小声で)静かに」

      レイナ「文句なら空き缶に言って」


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#154■同・4階踊り場

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          階下の物音に気づく黒ずくめの男。

          イーオン・リングを透明カプセルの中に戻し

          5階へ向かう。


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#155■同・5階廊下

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          黒ずくめの男、上がってくる。

   黒ずくめの男「(前を見て)うわっ!」

          その先に大鉈を持ったゴールドス大王、レイ

          ザーガンを持ったブロンズン、そして頭部の

          アンテナが勢いよく回っているシルバードが

          待ち構えている。

          怯えて後ずさりする黒ずくめの男。

    ブロンズン「(イーオン・リングを見て)大王様、ついに

          見つけましたぜ!」

  ゴールドス大王「おやおや、あのリングなのね」

    ブロンズン「おい、そのリングを渡しな」

          黒ずくめの男、さらに後ずさりする。

          レイザーガンを構えて黒ずくめの男に近づい

          ていくブロンズン。

          踵を返し階段のほうへ走る黒ずくめの男。

    ブロンズン「おっと、待ちな!」

          と、レイザーガンを発射する。

          黒ずくめの男には当たらず壁に穴が空く。


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#156■同・4階踊り場

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          階段を駆け下りていく黒ずくめの男。


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#157■同・2階踊り場

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          1階から駆け上がってくる健とレイナ。

      レイナ「さっきの音は何かしら?」

        健「まさか…」

          下りてくる黒ずくめの男。

      レイナ「あ!」

          黒ずくめの男、慌てて引き返し3階の廊下へ

          逃げる。

        健「待てっ!」


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#158■同・3階廊下A

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          両脇に客室が並び、突き当たりから左右にま

          た廊下がある。

          健とレイナが上がってくると同時に、大王た

          ちも4階から下りてくる。

      レイナ「わっ、また出た!」

    ブロンズン「あ、あの女!」

    シルバード「グォッ、グォッ」

        健「逃げろ!」

          脱兎のごとく駆け出す健とレイナ。

  ゴールドス大王「ふん、別の鼠が出てきたのね」

    ブロンズン「大王様、あれは鼠ではなくて地球人です」

  ゴールドス大王「(怒鳴って)分かってるわよ。物の例えでし

          ょ! そんなことより、さっきの黒鼠からリ

          ングを奪い取るのよ」

          廊下の突き当たりを右に曲がる健とレイナ。

  ゴールドス大王「(叫ぶように歌う)リング、リング〜。リン

          グを我らに〜」


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#159■同・3階廊下B

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          ブロンズンとシルバードが二手に分かれ、各

          部屋のドアを開けて中を確認している。


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#160■同・311号室

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          窓際でイーオン・リングが入ったケースを見

          ている黒ずくめの男。

   黒ずくめの男「くそっ、化け物たちめ! 脅かしやがって。

          (思い出し)ははん、例の事件の奴らだな。

          それにしても目の色変えて追いかけてくると

          は、よっぽどの物に違いねえ。へへ、こいつ

          はすごいことになってきたぜ」


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#161■同・308号室

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          ドアに耳を当て外の様子を窺っている健。

          その後ろにレイナ。

      レイナ「あの宇宙人たちはイーオン・リングを狙って

          いたのね」

        健「地球にきた目的はそれだ」

      レイナ「だったら渡せない。あの黒ずくめの男から先

          に取り返さなくちゃ」

          と、出て行こうとするレイナ。

        健「(制して)出るな。撃たれるぞ」

      レイナ「大きなお世話よ。私が取り返して……」

        健「こっちにくるぞ。(室内を見回して)そこに

          隠れよう」

          壁際の汚れたクローゼットを指さす健。


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#162■同・3階廊下B

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          シルバードのアンテナが高速で回る。

    シルバード「グォ!グォ!」

          と、健とレイナが隠れている308号室を指

          差す。


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#163■同・311号室

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   黒ずくめの男「隙を見て逃げるしかねえな」

          背にした窓の外にゴールドス大王の頭がせり

          上がってくる。


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#164■同・308号室クローゼットの中

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          お互いの体がくっついて、身動きが取れない

          健とレイナ。

      レイナ「ちょっとぉ、離れてよ」

        健「(横を向き)それは無理な相談だ」

          空いた穴から差し込む微かな光が、健の首筋

          の傷を照らす。

          レイナ、それを見つめる。

      レイナ「?……」

          その時、部屋のドアが乱暴に開く音がする。

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