【第02回】第一幕・襲撃（02）噂のマドンナ………………＃019〜＃025
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＃019■F大学・全景（翌日）
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通りに面した正門を抜けると緑多き敷地。
その先に校舎がいくつか建っている。
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＃020■同・ある教室
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段状の席で講義を受けている学生たち。
その中央あたりに白鳥レイナ（２１）。
熱心に聞きながら、ノートを執っている。
レイナの周りには男子学生が多く陣取り、何
やらこそこそ話をしている。
男子学生１の声「彼女、ほんと美人だよな」
男子学生２の声「白鳥レイナって名前からしていいな」
男子学生１の声「大金持ちの娘らしいぞ」
男子学生２の声「彼氏に立候補したいよ」
男子学生１の声「もういるんじゃないの」
男子学生３の声「みんな適当だな。彼女のプロフィールを知っ
てる奴はいないのかよ」
男子学生４の声「１ヶ月前までアメリカ留学してたのは、ほん
とだぜ」
などなど。
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＃021■市街地
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カジュアルバッグを斜めにかけ、自転車で走
る紅沢健（２１）。
腕時計をチラッとみた後、スピードを上げて
いく。
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＃022■F大学・廊下
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講義が終わり、教室から出てくる学生たち。
ブランドのショルダーバッグを肩にかけ、紺
野理恵（２１）と一緒に歩いているレイナ。
胸元にはペンダントが光る。
理恵「（見て）それいいわね。レイナがデザインし
たんでしょ？」
レイナ「まあね」
理恵「センスあるよね。私にもお願い…実費で」
レイナ「ＯＫ、いいわよ」
壁の掲示板には『キャンパス・フェスティバ
ル』のポスターが貼ってある。
その前で何やら話をしている男子学生たち。
男子学生Ａ「やっぱ目玉はキャン・フェス後の“魅惑の浅
海パーティー”でしょ」
男子学生Ｂ「男子学生が選ぶキャンパスクイーン・コンテ
ストもあるし…」
“参加者は仮装の事”と但し書きがある。
やってくるレイナと理恵。
男子学生Ｂ「（レイナをチラッと見て）今年のキャンパス
クイーンは彼女に投票するよ」
男子学生Ａ「いいね、いいねえ。俺も」
通り過ぎるレイナと理恵。
理恵「ねえ、今の聞いた？」
レイナ「（頷く）……」
理恵「羨ましい〜」
レイナ「やめてよ」
理恵「ごめん、ごめん。…でもレイナに彼氏がいな
いなんて不思議だわ」
レイナ「そう？（微笑んで）この世界は不思議な事が
いっぱいよ」
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＃023■同・エスカレーター付近
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理恵「これからどこかいかない？」
レイナ「ごめん、用事があるから…」
エスカレーターを降りた後、理恵と手を振っ
て別れるレイナ。
その場を通りかかる男子学生たち、一度はレ
イナを振り返る。
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＃024■同・裏手
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遊歩道の脇に点在するベンチ。
そのひとつにふてぶてしく座っている黒原雄
司（２１）。両隣には雄司の子分Ａ（２０）
と子分Ｂ（２０）。
それぞれアメフトのユニフォームを着用し、
バカ話で盛り上がっている。
子分Ａ「（一点に気づき）雄司さん、あれ」
と、指で差す。
雄司「ん？」
別の遊歩道を足早に歩くレイナ。
子分Ｂ「へへ、雄司さんの恋人ですよ」
雄司「（子分Ｂの頭を叩いて）おいおい、照れるじ
ゃねえか」
レイナを目で追う雄司。
子分Ａ、指笛でレイナを冷やかす。
雄司「（大声で）おーい、レイナ！」
目もくれず歩くレイナ。
雄司、追いかけてきてレイナと並んで歩く。
その後ろに子分Ａと子分Ｂが、ふざけながら
続く。
雄司「（ニヤニヤと）おいおい、愛想がねえな。今
からお葬式ですか〜」
レイナ、相手にしない。
雄司「あ、そうそう、キャンパスクイーンの事は知
ってる…よな？」
レイナ「（無視）……」
雄司「もしもーし、聞こえますかー？」
レイナ「うるさいわね。その事なら、いやでも耳に入
ってくるわ」
雄司「だろうな。今年のクイーンはおまえに間違い
ねえだろう。クイーンになったら、投票した
男子学生の中から選ばれた奴とダンスを踊る
決まりだ。それも知ってるな？ おっと、断
る事はできねえ。それがこの大学の伝統だ」
レイナ「それで？」
雄司「この俺様がお相手をいたしましょう、（前に
出て）お嬢様。へへっ」
と、誘いのポーズを取る。
レイナ「（呆れて）それはどうも」
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＃025■大学前通り
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車道を突っ走る自転車の健。
車にぶつかりそうになりながらも、うまくか
わしている。
