【第18回】第二幕・追撃(07)不機嫌な大王様……………#127〜#130
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#127■宇宙船・内部
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鬼瓦のような顔で歩き回るゴールドス大王。
項垂れているブロンズンとシルバード。
ゴールドス大王「バカ、バカ、バカ! 何よ、その無様な格好
は? 情けない。勝手な行動をして、どうい
うつもりよ?」
ブロンズン「勘弁してください、大王様。ただシルバード
のアンテナが反応したもんで……」
ゴールドス大王「それで何、その小娘が例の物を持っていたと
でも言うの?」
ブロンズン「あ、いえ。それらしき物は……」
ゴールドス大王「(不満げに)またぁ、地球の磁場の影響での
誤作動? まったく、もう。それで、あのク
リムゾンXが現れたわけね」
ブロンズン「へい。ところがあの野郎は前より強くなって
たんで……」
ゴールドス大王「だから、負け犬のように逃げ帰ったの?」
ブロンズン「めっそうもない。次は絶対負けやしません」
ゴールドス大王「あたりまえじゃない。そんなことより探知を
強化しなさい。どんな小さな反応も見逃さな
いことよ」
ブロンズン「(力強く)分かりました」
シルバード「グォオーン」
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#128■F大学・エスカレーター
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上がりに乗っている健。
後ろから誰か駆け上がってくる音がする。
声「おじいちゃんの助手をしてるんだって?」
健「(見て)……」
レイナである。
レイナ「物好きね」
と、そのまま駆け上がり廊下のほうへ去る。
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#129■同・ある教室
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講義中。
相変わらずレイナを見ている男子学生たち。
レイナ、強い視線を感じる。
目をやると離れた席で健が見ている。
レイナ「(フン)……」
健「(目をそらす)……」
レイナの横にいる理恵、気づいて健を見る。
理恵「(ははん)……」
と、続いてレイナを見る。
レイナ「(気づいて)何よ?」
微笑んで首を振る理恵。
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#130■クロハラカンパニー・社長室
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黒革の椅子に座り電話をかけている黒原。
黒原「……あ、白鳥博士でしょうか? クロハラカ
ンパニーの黒原と申しますが…」