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【第14回】第二幕・追撃(03)トップを飾る写真…………#092〜#105

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#092■白鳥博士の家・研究室

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          研究資料と製作器具を研究台の上にどかどか

          と置く白鳥博士と健。


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#093■F大学・食堂

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          眠たそうにランチを食べているレイナ。

          目の前に今朝の新聞が乱暴に投げ出される。

      レイナ「(見上げて)ちょっと、何よ」

          雄司が不敵な笑みを浮かべ立っている。

      レイナ「昨日は散々だったわね。痛かった?」

       雄司「うるせえ。あの野郎、今度会ったらただじゃ

          おかねえ」

          クリムゾンXとレイナが載っている第一面。

          レイナ、チラッと見る。

       雄司「(新聞を指し)TVでもこの新聞でもピンボ

          ケで誰だか分かりにくいが、ガキを抱き上げ

          ているのはおまえだな?」 

      レイナ「私じゃないわ」

       雄司「いや、俺にはピンときた。おっと、今のはシ

          ャレだ。しかし、ひどい写りだねえ。せっか

          くの美人が台無しだぜ」

       雄司「このコスプレ野郎は何者だ?」

      レイナ「違うって言ってるでしょ。だから、その人も

          知らない」

          雄司、レイナの前に座る。

       雄司「そうか、謎のヒーローってとこだな」

          レイナ、応えず食べている。

       雄司「ところでよ、おまえの爺さんだけど…博士な

          んだってな…」

       レイナ「おまえ、おまえって言わない。(箸を突き

          出して)それに爺さんでもないわ」

       雄司「(仰け反り)おっと、危ねえな……分かった

          よ」

      レイナ「お断りよ」

       雄司「まだ何も言っちゃいねえ」

      レイナ「どうせロクな事じゃないわ」

       雄司「俺の親父、つまりクロハラカンパニーの社長

          が、爺さ…いや白鳥博士に会いたいそうだ」

      レイナ「なんで?」

       雄司「博士の研究に援助したいとさ」

      レイナ「援助?」

       雄司「無名のままで終わらせるのはもったいない天

          才だと」

          レイナ、食べ終えトレイを持って立つ。

       雄司「今夜にでも親父と一緒に研究所にいきたいん

          だけどな」

      レイナ「胡散臭い話ね。おじいちゃんは名声とか興味

          ないのよ」

          と、トレイの返却口のほうへ去る。

       雄司「(苦々しく)けっ!」

          と、携帯電話を取り出す。


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#094■白鳥博士の家・研究室

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          あらゆる機器を使い製作を続ける白鳥博士。

          その側で指示を仰ぎ手伝っている健。


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#095■87分署・屋上

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          防護柵にもたれ煙草を吸っている灰坂。

          少し離れて茶山。

       茶山「現場に戻って収穫はありました?」

       灰坂「(首を振る)……」

       茶山「遺留品もないですからねえ。あの三人組は何

          者ですかね?」

       灰坂「それより俺は例のアメコミ・ヒーローみたい

          な奴の事を知りたいんだよ」

       茶山「そのマント男はクリムゾンXって名乗ってい

          たらしいですね」

       灰坂「クリムゾンX? ふん、俺に言わせりゃ容疑

          者Xだ。グルかも知れんしな」

       茶山「(思い出し)そういえば昼過ぎに、おかしな

          タレコミがありましたけど」

       灰坂「タレコミ?」

       茶山「あの新聞に載ってる写真の女性を知っている

          と……」

       灰坂「何だって? 早く言えよ!」

       茶山「はあ、でも彼女も被害者だから、今回の事件

          に関しては分からないでしょ」

       灰坂「そうかも知れんが、彼女しか奴を間近で見て

          いない」

       茶山「我々が現場に到着した時、彼女は野次馬の中

          にいたかもしれませんね」

       灰坂「で、名前は?」

       茶山「あ、はい。F大の学生で名前がたしか……白

          鳥レイナ。それから気になるのが…」

       灰坂「なんだよ?」

       茶山「彼女の祖父がですね、なんでも白鳥博士とい

          う人物らしいです」

       灰坂「白鳥博士? 知らんな」

       茶山「その博士が今回の事件に関係あったりして」

       灰坂「それだと、いかにもアメコミっぽい展開だろ

          うが。…よし、行くぞ」

          と、防護柵から離れ歩き出す。

       茶山「え? どこへ…」

       灰坂「決まってるだろ。その娘に会うんだ」


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#097■F大学・構内

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          休み時間。

          散在する学生たち。

          灰坂と茶山、たまたま通りかかった雄司に何

          か尋ねている。

          校舎から理恵と一緒に出てくるレイナ。

          レイナを指差す雄司。

          雄司に礼を言い、レイナのほうに近づいてく

          る灰坂と茶山。

          雄司、薄笑いでレイナを見ている。

      レイナ「あのバカ」


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#098■同・大きな池のほとり

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          レイナを前に灰坂と茶山。

       茶山「先日の複合商業施設『ブルーノア』での騒動

          はご存じですね? ちょっと確認したいんで

          すが、(写真を見せ)こちらの女性は、あな

          たですね?」

      レイナ「いいえ、違います」

       茶山「髪形が同じように見えますが」

      レイナ「ありふれた髪型だと思いますけど」

       茶山「体形も似ていますが」

      レイナ「でも違います」

       灰坂「(レイナを見て)……」


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#099■白鳥博士の家・研究室

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          機器の配線と電子工具で溢れ返り、足の踏み

          場もない状態で製作は続いている。

        健「博士、ちょっと休憩しませんか?」

     白鳥博士「これを済ませてからじゃ」


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#100■走る覆面パトカー

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          運転する茶山。

          助手席の灰坂は黙り込んでいる。

       茶山「…ガセネタでしたね」

       灰坂「いや、何かおかしい。写真を良く見もしない

          で即答した」

       茶山「え?」

       灰坂「…と、俺は感じた」


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#101■白鳥博士の家・リビング

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          カップラーメンを食べている白鳥博士と健。

          壁の振り子時計が時を刻んでいる。


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#102■F大学・グラウンド

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          アメフトの練習をしている部員たち。

          端のほうに携帯電話で話をしている雄司。

       雄司「親父が言ってた“将を射んと欲せばまず馬を

          射よ”は無理じゃないか。あの女はじゃじゃ

          馬だ」


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#103■空港・国際線ロビー

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       黒原「しょうがない奴だな。じゃあプランBだ…」

          椅子に座り携帯電話で話している黒原。

          その横に強面の秘書。

       黒原「…そうだ。(切る)ふん、じゃじゃ馬か、さ

          すが博士の孫だな。興味深い」

       秘書「社長、そろそろお客様が到着されます」

       黒原「うむ(立つ)」


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#104■宇宙船・内部

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          ディスプレイに向かい探知しているブロンズ

          ン。

          その横で頭部のアンテナを回しているシルバ

          ード。

    ブロンズン「(溜息をついて)だめだな。全然反応しない

          ぞ。そっちはどうだ?」

    シルバード「(首を振って)グァ〜ン」

          椅子に深く座り、鼻毛を抜いているゴールド

          ス大王。


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#105■白鳥博士の家・全景(夜)

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   白鳥博士の声「あ、ちょっと待った。その部分のチップはこ

          っちを使ってくれ」

      健の声「はい。このコードはどこに繋ぎますか?」

   白鳥博士の声「そこだ。それが済んだら…」

      健の声「(小声で)人使いが荒いなあ」

   白鳥博士の声「ん? 何か言ったか」

      健の声「いえ、何も」

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