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【第13回】第二幕・追撃(02)ヒーローの責任……………#087〜#091

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#087■87分署・特別捜査課

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          十数人の刑事が職務に就いている。

          慌ただしい雰囲気をよそに、両足を机に投げ

          出し朝刊を睨むように読んでいる灰坂。

          第一面のクリムゾンXの写真。

       灰坂「いったい、こいつは……」

          やってきて灰坂の隣りに座る茶山。

       茶山「どうしたんです?」

          灰坂、第一面の写真を指で突く。

       茶山「(見て)赤…いや深紅のマント男?」

       灰坂「そうだ」

       茶山「何者なんでしょうね?」

       灰坂「(足を降ろし)ただの目立ちたがり屋か、そ

          れとも…」

       茶山「正義のヒーローか、ですね」

       灰坂「ばかやろう! マスコミみたいに持ち上げる

          なよ。このコスプレ野郎は警察の邪魔をして

          いるだけだ」

       茶山「そうなんですか?」

       灰坂「そうなんだよ。ところで監視カメラと来場者

          が撮ったというビデオのデータが鑑識にある

          だろ?」

       茶山「はい」

       灰坂「(立って)俺のノートパソコンに入れといて

          くれ」

          と、ドアのほうへ向かう。

       茶山「どこいくんですか?」

       灰坂「現場だよ」

       茶山「もうすぐ捜査会議が始まりますよ」

       灰坂「適当に言っといてくれ」

          と、出ていく。

       茶山「そんな…替わりに怒られるのは僕なんですけ

          ど」


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#088■白鳥博士の家・コンピュータールーム

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        健「つまり、あの3つの球体は奴らが乗ってきた

          宇宙船ということですね」

     白鳥博士「まちがいないじゃろう」

        健「奴らの目的はなんでしょう?」

     白鳥博士「そこなんじゃよ。なんで複合商業施設『ブル

          ーノア』に現れたのかが分からんのだ。侵略

          なら他に攻撃する場所はいくらでもあるはず

          じゃ」

        健「確かに」

     白鳥博士「とにかく世間では奴らのことが良く分かって

          いないようじゃ。事実を公表するとパニック

          になるだろう。我々だけで解決したほうがよ

          さそうじゃ」

        健「我々?」

     白鳥博士「そう、君とわしじゃ。他に誰がおる?」

        健「そんな急に言われても」

     白鳥博士「奴らがまた動き出す前に手を打たなければ、

          大変なことになるぞ。まず、君の持っている

          能力をパワーアップさせねばならんのう」

        健「はぁ?」

     白鳥博士「冗談で言ってるんじゃないぞ」

        健「それは分かりますが……時間がありません。

          敵はもうきているんですよ」

     白鳥博士「いやいや、わしがストックしておる研究を活

          かす時がきたということじゃ。この宇宙人ど

          もはなかなか手強そうだ。今の君のパワーで

          は、またこのように負けてしまう」

          と、映像を指さす。


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#089■宇宙船・内部

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          壁のディスプレイに映るのは倒れたクリムゾ

          ンX。

          並んで見ている見て大王たち。

  ゴールドス大王「う〜む、このクリムゾンXとやら、ただの地

          球人じゃないわね」

    ブロンズン「大王様も気づいておいでで?」

  ゴールドス大王「もちろんよ。私を誰だと思っているの。オカ

          マのゴールドス大王と恐れられているのよ」

    ブロンズン「はっ! 頭脳明晰でもあります」

  ゴールドス大王「あら、良く分かってるじゃない。…でもクリ

          ムゾンXは待ち伏せしてたのかしら?」

    ブロンズン「そんなことはないかと。我々の宇宙船は、地

          球人の科学レベルごときでは感知できません

          し」

    シルバード「(片手を上げ)グォン」

  ゴールドス大王「偶然? だとしても、これから例の物を探す

          時は要注意ね。地球人たちが騒いでいるよう

          だし。ヘタに動くと面倒だわ」

    ブロンズン「今のところ微弱なエネルギーしか出ていない

          ようで、場所が特定できません。やっぱり地

          球の磁場が影響しているのかも知れません」

  ゴールドス大王「何かと言えば磁場、磁場、磁場ってうるさい

          わね。キーッ! しょうがない、しばらく様

          子をみるしかないわ」

    ブロンズン「いつまでです?」

  ゴールドス大王「しばらくはしばらくよ。お分かり?」

    ブロンズン「(不服そうに)へい」

  ゴールドス大王「いったい、どこにあるのかしらね」


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#090■白鳥博士の家・研究室

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          透明カプセルに入ったイーオン・リング。

          健に説明している白鳥博士。

     白鳥博士「……ということじゃ」

        健「なるほど、今後の研究が楽しみですね」

          ロッカーを開ける白鳥博士。

          穴が空いた深紅のボディスーツがハンガーに

          掛かっている。

     白鳥博士「(見つめて)このボディスーツは強化せねば

          なるまい」

        健「できますか?」

     白鳥博士「もちろんじゃ。(取り出して)さあて、さっ

          そく取りかかろう。手伝ってくれ」

        健「え? あのう、俺には大学もあるんですが」

     白鳥博士「君がどういうつもりでヒーローを名乗ってい

          るか知らんが、公の場に現れたからには最後

          まで責任があるじゃろ」

        健「はあ」

     白鳥博士「この地球がどうなってもいいのかな?」

        健「それはオーバーですよ」

     白鳥博士「そうならんとも限らん」

        健「(考えて)…分かりました」

     白鳥博士「よし、今から君をわしの助手に任命する」

        健「それは喜ぶべき事ですか?」

     白鳥博士「そうじゃ。(健を見て)しかし、こうやって

          見ると身体のほうは問題ないようじゃのう」

        健「はい、おかげさまで」

     白鳥博士「やはり人と違う能力があると、回復力も早い

          のう」


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#091■複合商業施設『ブルーノア』・広場

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          警察関係者やマスコミで溢れている。

          その中に壊れた青い天使の像を見つめている

          灰坂刑事。

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