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【第10回】第一幕・襲撃(10)恐怖に襲われた広場………#070〜#074

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#070■同・広場

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          青い天使の像付近まで並んで歩いてくる健と

          レイナ。

          落ちつかない様子の鳩の群れ。

          健、周りを気にしている。

      レイナ「(止まって)せっかくきたから、買い物しよ

          うかな。ねえ、付き合ってくれない?」

        健「俺はもうかえ…」

          鳩の群れが、レイナの目前で一斉に飛び上が

          る。

      レイナ「(顔を背け)きゃっ!」

        健「!(レイナを見る)」

          レイナの瞳が一点に集中する。

      レイナ「(目を見開き)え、えー??」

        健「(その方向を見る)!!」

          アーケードのほうから押し寄せてくる人々。

          後ろを振り返りつつ叫んでいる。

          ただならぬ状況を察知する健。

      レイナ「いったいなんなの?!」

          逃げまどう人々を後ろから追いかけてくる大

          王たち。

          レイザーガンで威嚇連射をしているブロンズ

          ン。

        健「(凝視する)!?」

          あっという間に広場も巻き込んで、混乱の渦

          となる。

          健、レイナの手を引っ張り走り出すが、あっ

          という間に人混みに呑み込まれる。

          引き離される健とレイナ。

          そのまま人の波を掻き分け、流れから外れる

          健。

      レイナ「(叫ぶ)ちょっと、どこいくのよ!」

          声は掻き消され、押し潰されそうになるレイ

          ナ。

        健「(振り返り)!……」

          目と目が合う健とレイナ。

          それを振り切って走り出す健。

      レイナ「(愕然と)……」

          悲鳴とともに逃げる人々が出口に殺到する。

          逃げながらも、広場の状況をビデオカメラや

          デジカメに納める人たちもいる。

          ブロンズンはレイザーガンの乱射で、シルバ

          ードは持ち前の怪力で店舗や建造物を次々と

          破壊してゆく。

          状況を捉えていた監視カメラも砕け散る。

          両親とはぐれて泣いている女の子。

          レイザーが青い天使の像の台座に当たる。

          女の子の上に倒れてくる青い天使の像。

          近くにいたレイナ、両手で顔を覆う。

      レイナ「キャァァー!」

          その時、滑り込むように走り寄る深紅の影。

          女の子に当たる寸前で青い天使の像を支える

          クリムゾンX。

   クリムゾンX「(重さに耐えレイナに)早くこの子を!」

      レイナ「あ、あなたは?」

   クリムゾンX「いいから早く!」

      レイナ「(焦って)は、はい」

          駆け寄って女の子を抱き上げるレイナ。

          ブロンズンが乱射するレイザーのひとつが、

          クリムゾンXの首の後ろをかすめる。

   クリムゾンX「うっ!」

      レイナ「あ、血が!」

   クリムゾンX「私は大丈夫。ここは危険だから逃げてくださ

          い!」

          レイナ、女の子を両腕に抱え建物の陰に走っ

          ていく。

          青い天使の像を放り投げ、立ち上がるクリム

          ゾンX。

          首が折れる青い天使の像。

          クリムゾンXの存在に気づかず暴れまくる大

          王たち。

 クリムゾンXの声「やめろ!」

          破壊を止め、声のほうに振り返るゴールドス

          大王たち。

          マントをなびかせ立っているクリムゾンX。

          まじまじとクリムゾンXを見る大王たち。

  ゴールドス大王「なんなの? あんたは」

    ブロンズン「さっきの奴らの仲間か?」

   クリムゾンX「おまえたちこそ何者だ?」

  ゴールドス大王「んもぅ! そっちが先に名乗りなさいよ」

   クリムゾンX「そんなに聞きたければ教えよう。そう、私の

          名は(ポーズをつけ)クリムゾンX!」

  ゴールドス大王「クリムゾンX? フォッ、フォッ、フォッ、

          聞かない名前だわねえ」

    ブロンズン「こいつ、とぼけた格好してますぜ、ゴールド

          ス大王様」

    シルバード「(首を傾げて)グォグォグォ…ジィィ」


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#071■同・建物の陰

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          広場の状況を見ているレイナ。

          その横に座りこんで泣いている女の子。

      レイナ「クリムゾンX……?」


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#072■同・広場

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          人々が逃げ去り静まり返っている。

   クリムゾンX「いったいどういうつもりだ? おまえたちの

          目的はなんだ?」

  ゴールドス大王「目的? ふん、あんたに教える筋合いはない

          わ。クリムゾンXと言ったかしら」

          戦闘態勢を取るクリムゾンX。

  ゴールドス大王「おや、やる気みたいね。ブロンズン! シル

          バード! 可愛がっておやり!」

    ブロンズン「へい!」

    シルバード「グォ!」

  ゴールドス大王「ちょっと待って。まずは私からよ!」

          大鉈を頭上で一降りした後、クリムゾンXに

          向かって投げるゴールドス大王。

          仰け反ってかわすクリムゾンX。

          建物の鉄柱を切り裂き、ブーメランのように

          ゴールドス大王の手に戻る大鉈。

          ブロンズン、レイザーガンをクリムゾンXに

          向け連射する。

          レイザーに当たらないよう、跳ねたり動き回

          るクリムゾンX。

          ゴールドス大王、それを見て笑っている。

  ゴールドス大王「滑稽なダンスだわ」

          ブロンズン、連射をやめる。

          動きが鈍るクリムゾンX。

          シルバード、クリムゾンXに駆け寄り胸ぐら

          を掴み放り投げる。

          地面に打ちつけられるが、素早く立ち上がる

          クリムゾンX。

          シルバードが両手を上げ襲いかかる。

   クリムゾンX「Xパンチ!」

          と言って、シルバードのボディに一発くらわ

          す。

          ビクともしないシルバード。

    シルバード「グゥオゥ、グゥオゥ」

          と、笑う。

          さらに連打するクリムゾンX。

          翼をばたつかせ舞い上がるブロンズン、クリ

          ムゾンXのマントを背後から掴む。

          宙吊りになるクリムゾンX。

   クリムゾンX「くそっ、離せ!」

          ブロンズン、そのままグルグルと回す。

  ゴールドス大王「離してお上げなさ〜い」

          遠心力で飛ばされてそのまま建物の壁にぶつ

          かり、破片もろとも落ちるクリムゾンX。


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#073■同・建物の陰

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          広場の光景を呆然と見ているレイナ。

      レイナ「何よ、これ? 夢? 映画の撮影? デジャ

          ヴ?」


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#074■同・広場

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          俯せになり痛みを堪えているクリムゾンX。

  ゴールドス大王「フォッ、フォッ、フォッ、口ほどにもないわ

          ね」

    ブロンズン「(着地する)大王様、まだやりますか?」

          破壊された建物、その破片が方々に散らばっ

          ている。

  ゴールドス大王「(見回して)あら、いやだわ〜。ちょっと派

          手にやりすぎたようね。お遊びはここまで。

          ひとまず退散して出直しよ」

    ブロンズン「へい! 大王様」

    シルバード「グォ!」

          大王たち、アーケードのほうへ戻っていく。

          クリムゾンX、ふらふらと立ち上がる。

   クリムゾンX「待てっ!」

          と、大王たちを追いかけていく。

          女の子の両親が名前を叫びながら向こうから

          走ってくる。

          女の子を抱えたまま歩いてくるレイナ。

      レイナ「いったい、どうなってるの……」

          遠くからパトカーなどのサイレンが聞こえて

          くる。

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