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身体と心の休息

 勇者がとうとう十階層のミノタウロスを倒したらしく、十一階層へと足を踏み入れたそうだ。

 そしてその時に、何やら神様か神様の部下なのかは分からないが、その謎の人物から声による説明が脳内に響いたそうで、それによると十一階層は地球と同レベルの広大さを誇る自然型のダンジョンらしく、そんな広大な土地をひたすら歩き回って次の階層へと続く階段を見付けねばならないらしい。


 その情報が勇者によって掲示板内で知らされると、瞬く間に攻略スレッドが加速して埋まり、次のスレッドへ、そしてまた急速に埋まり次のスレッドへと異常な速度で移り変わった。

 その圧倒的な速度は三日間が過ぎるまで減速せず、落ち着いた頃には現実に立ち返ってお通夜のような雰囲気でコメントをする者で溢れた。


 そう、彼ら全ての挑戦者達は現実を直視したのだ。十一階層云々と言う前に、自分達はミノタウロスを倒さねば先へと進む事が出来ないのだと。

 何は隠そう俺もその現実を直視してテンション爆下がりだった者達の一人だったりする。十階層に出現するミノタウロスの情報に目を通す限り、とてもじゃないが勝てる気がしないのだから仕方ない。


 それ故に、まだミノタウロスと戦った事がない俺なのだが、その情報に目を通しただけで心底落ち込み、昨日は初めて迷宮探索を午前で済ませて昼からは酒を飲んで憂さ晴らししてしまった。

 勿論、その憂さ晴らしにはハルちゃんやナっちゃんにも付き合って貰っており、嗜好品でもあり贅沢品でもある高級酒を三人で沢山飲んだ。

 因みに、アキとフユには高級な肉を買って与えていて、ハルちゃんやナっちゃんはスケルトンであっても飲み食い出来るので本当に宴会のようになっていた。

 この迷宮に挑む事になってから初めての贅沢三昧をしたので、そのお陰でかなり下がっていたテンションも持ち直したと言えるだろう。


 ともあれ、そんな俺達の現在はと言えば、今は九階層で活動していて装備も潤沢になっているしレベルも非常に上がっていた。



★★★★★★★★


level:52+24


名前:久遠湊


性別:男


種族:ヒューマン


ギフト:テイム、アイテムボックス


スキル:経験値均等化、剛体力New、軽業New、体制術New、精力増強New、盾術11+9、剣術11+9、火魔法5New+5


武器:鋼鉄の剣New


盾:鋼鉄のラウンドシールドNew


頭:鋼鉄の兜New


胴:鋼鉄の胴鎧New


腕:鋼鉄の手甲New


足:鋼鉄の足甲New


装飾:赤石のピアス(防御強化)New



level:51+27


名前:ハル


性別:???


種族:スケルトン


スキル:盾術11+9、剣術11+9、火魔法5New+5、剛体力、軽業、体制術New、精力増強New


武器:鋼鉄の剣New


盾:鋼鉄のラウンドシールドNew


頭:鋼鉄の兜New


胴:鋼鉄の胴鎧New


腕:鋼鉄の手甲New


足:鋼鉄の足甲New


装飾:翡翠のネックレス(俊敏強化)New



level:49+34


名前:ナツ


性別:???


種族:スケルトン


スキル:弓術10+9、剣術1New+1、火魔法9New+9、土魔法9New+9、水魔法8New+8、剛体力、軽業、体制術New、精力増強New、魔力増強New


武器:精霊の弓New、鋼鉄の剣New


盾:無し


頭:鋼鉄の兜New


胴:鋼鉄の胴鎧New


腕:鋼鉄の手甲New


足:鋼鉄の足甲New


装飾:矢筒、精霊石のネックレス(魔法強化)New



level:49+34


名前:アキ


性別:雄


種族:ウィルダーネスパンサー


スキル:火魔法8New+8、風魔法8New+8、剛体力、軽業、体制術New、精力増強New、魔力増強New


頭:無し


胴:無し


腕:無し


足:無し


装飾:剛力のネックレス(パワー強化)



level:48+48


名前:フユ


性別:雌


種族:フォレストウルフ


スキル:火魔法8New+8、風魔法8New+8、剛体力New、軽業New、体制術New、精力増強New、魔力増強New


頭:無し


胴:無し


腕:無し


足:無し


装飾:剛力のネックレス(パワー強化)


★★★★★★★★



 レベルや装備、装飾、そして数々のスキルが増えていて、フユを仲間に入れてからの一ヶ月半をどれだけ力を込めて努力していたかが分かる結果となっているだろう。

 防具は六階層に出現するマダラコウモリ対策に最初は革装備から買い始め、そこから階層を進むにつれ性能の優れた防具へと新調しており、装飾品は極稀に九階層で出現するモンスターが落とす物を何度も何度も気の遠くなる思いで倒し続け揃えた。

 そして最も多くのDPを注いでまでして揃えたのは、スキルの数々だ。


 体制術、どんな体勢でもその時の姿勢を維持する補助をしてくれるスキル。

 精力増強、スタミナの回復速度上昇や怪我の回復速度が上昇するスキル。デメリットとして、挑戦者の場合には性的に旺盛になってしまう。

 魔力増強、魔法を行使する際に必要な魔力の量を潤沢にしてくれるとともに威力も向上させるスキル。


 補助系のスキルがこの三つで、体制術が300000DP、精力増強が500000DP、魔力増強が1000000DPした。精力増強のデメリットのせいで少し困っているが、まぁメリットの方が魅力的だったので後悔はない。

 そして魔法に関するスキルは、火魔法が1500000DP、土魔法が1200000DP、水魔法が1300000DP、風魔法が200000DPである。風魔法だけ異常に安いが、これは戦闘用の魔法という意味合いが薄いせいだと認識しているが、詳しい事は分からない。ただし、空気中に毒を撒いたりするモンスターが居たのだが、その時には風魔法で毒を散らすという感じで大変役立ったスキル魔法であり、決して役立たずなスキルという訳ではなかった。

 レベルや装備、他にもスキルの数々などを見て分かる通り、俺達のこの一ヶ月半の努力がどれだけ凄かったのかはこれで分かってもらえる筈だ。


 しかもこれだけではなく拠点の方も拡張したりしていて、フユの部屋や新たな施設などを導入したりと、拠点の快適さも手を抜いてはいない。ピザ釜などは買った当初少し贅沢し過ぎたかもしれないとも思ったが、美味しいものを食べる事も精神衛生上は必要な事だったりするので、今となっては必要経費だったと思って割り切っている。施設を買う際は酔っ払って物品売買を眺めるべきではないと実感した出来事だった。

 と、こんな感じで少しの失敗もあったが、概ね胸を張れる一ヶ月半だったと言っても過言ではないだろう。


 そんな俺達は今日、初めて迷宮探索を完全に休んで拠点内にてゴロゴロしていた。完全休日にした理由は一つで、肉体と精神を癒す事に努めている訳だ。

 俺はパソコンと向かい合って雑談スレにて他の挑戦者達とコミュニケーションを取っていたり、ハルちゃんやナっちゃんはアキとフユを相手に遊んでいる。若干アキは逃げ出そうとしているが、逃げ出そうとする度にハルちゃんとナっちゃんからガッチリとホールドされて逃げられていない。

 どうやらパーティーメンバーにも上下関係が確立されているようで、ハルちゃんやナっちゃんの下にアキとフユが立たされているみたいだ。アキは猫科の為に自由行動を旨としているので、少し鬱陶しそうにしているが上下関係のせいで仕方ないと割り切っているように見える。


 まぁこんな感じが休日のパーティーメンバーの様子なのだが、この休日を決断したのには勿論理由があって、それは別に強くなったから傲慢になってしまった結果として休日にしたとかではない。それだけは断じてないと言える。

 ならば何故俺が休日にすると決めたのかと言えば、明日には十階層へと足を踏み入れる決断をしたからだ。そう、とうとうミノタウロスと戦う決意をしたのである。

 無論、勝つつもりで決意した訳なのだが、毎日休み無く探索を続けていたので、大一番の前に完全な休日を一日ぐらいは設けるべきだと思ったのだ。

 拠点に居る間はあらゆる面で回復するものの、それでも回復しきれないものがあるのではと考えたからの休日だったりもする。


 しかしこうやって完全な休日というのは本当に初めてで、ハルちゃん達は心底嬉しそうにしているのでこれからは週休二日とかにするべきではないだろうかと思わざるを得ない。

 レベル上げとかスキルを買う事とか、そんな諸々が楽しくて毎日迷宮に入っていたが、少し自分本意に行動していたのかもしれないと今の彼女達の様子を見ていて反省した。

 四日間迷宮に入ったら一日休み、とそんな感じでもいいかもしれない。まぁそれは追い追いメンバーで話し合うべきだろう。


 何はともあれ、明日は凶悪で強力なミノタウロスとの戦闘だ。あの勇者を一度撤退させ、そして二度目には敗北へと導いたミノタウロスとの戦闘なのだ。壮絶な死闘となるだろう事は容易に想像出来る。それ故に、今だけは何も考えずノンビリ羽を伸ばすとしよう。

 そう思う俺は、珈琲を一口飲むとポテトチップスを一枚手に取ってそれを噛り、雑談スレに性欲を抑える方法について他の挑戦者達に尋ねた。やっぱり精力増強のデメリットがそこそこ効くのだ。

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