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プロローグ

 城内が慌ただしい。皆一様にどこか思い詰めた様子で足早に動いている。宮廷はどんよりと重苦しい雰囲気が立ち込め、煌びやかな装飾たちも影を落としていた。



 それもそのはず、皇帝が死んだのだ。民からも貴族たちからも疎まれた皇帝は4年という短い治世を暗殺という手段で幕を終えた。



 先代の皇帝も評判が悪く、2代続けての暗君の登場は、貴族達によって実質帝政の世襲制になった独裁官を廃止しようとすら動きがある。



 暗殺された、陛下も何も最初から暗君だったわけではない、初期の頃の治世は堅実に進め、民からも貴族達からも一定の評価を得ていた。しかし、暗君と言われるようになったのはその数年後。重い病を煩った頃を境に人が変わってしまった。



 常日頃、暗殺や陰謀を疑い、人を信じることができず疑心暗鬼になり、残虐行為に走るようになった。処刑や重い重税、豪華絢爛の派手な振る舞いが増え、民衆や貴族からも嫌われるようになり、ついには暗殺された。



 暴君亡き後、後継者問題だ。あまりの急な崩御のせいか後継者がいなかった。時間をかけていれば、貴族達の横槍も間違いなく入ってくる。どうにかしなければ。



「ローレン殿」



 ローレンは自分を呼ぶ声に顔を上げた。思案に更けていたせいか、自分のすぐそばまで近づいていた人物に気づけなかったのだ。



「ウォレスか。なんだ」



「親衛隊に動きがありました。どうやら、2代前の独裁官の弟、ローデスというものを担ぎあげて、次期独裁官として任命させるようです」



「親衛隊か。意外な所から動いたな」



「恐らく貴族たちの独裁官廃止の動きを警戒して先に手を打ったのでしょう。彼らも独裁官が廃止されれば職務を追われる立場ですから」



「ローデスとはどんな人物なんだ?」



「大人しく、内気な性格のようです。これまでこれといった、業績を残していませんが、人気のあった独裁官の血縁関係者とあれば民衆たちの人気も高いはずです」



「親衛隊たちもそのような人物をよく見つけてきたな。……荒れるな。貴族たちも親衛隊の動きに大人しく黙ってる事もないだろう」



「恐らく、ここ数日の間に何かしらの行動は起こすでしょう」



「すぐに動ける準備はしておけ」



「わかりました」


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― 新着の感想 ―
[良い点] 背景含めて、本当にあった国の話のようで分かりやすく、読みやすい話だと思いました。 [気になる点] 登場人物の感情の描写が少なく、感情の起伏が読み取りにくいと思いました。 [一言] 次話以降…
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