第304話 大公と大公妃
前回までのあらすじ
ついにブルゴーもリタの軍門に……着々と世界征服を狙うリタ様でした……
「うわぁー、食われる!!」
「た、助けてくれぇ―!!」
「化け物だ!! 逃げろー!!」
眼下に広がるライゼンハイマー城の中庭。
まさに阿鼻叫喚の地獄絵図を恐怖と驚愕に染まった瞳で見つめながら、カルデイア軍首都防衛隊隊長ヨハンネス・クレーマンと近衛騎士団長エルヴィン・メスナーは身動きひとつできずにいた。
吹き出る血潮と舞い飛ぶ手足。
真っ赤に染まっていく中庭と、絶えず聞こえてくる部下たちの断末魔の叫び。
果たして地獄というものが実在するなら、きっとこんな光景なのではないか。
そう思ってしまうほど、それはこの世のものとは思えなかった。
どこか現実離れしていながらも、嫌でもこれが夢ではないことを思い知らされる。
その事実に打ちのめされながら、それでもメスナーが口を開いた。
「ク、クレーマン隊長……こ、これはいったい……」
「あ、悪魔だ……奴らは悪魔に違いない。 ――いくら殺し殺される戦と言えど、このような戦い方が許されるものなのか……? いや違う、こんなものは戦ではない……ただの殺戮だ……」
凡そこの世のものとは思えない獰猛な獣に、生きたまま食われ、手足を食いちぎられ、腸を引きずり出されていく部下たち。
その光景を見つめながら、クレーマンは己を見失っていた。
彼らが立つ場所は、城全体を見下ろせる高い城壁上なのだが、そこから中庭に降りるにはどんなに早くても10分はかかる。
たとえ今から急いで行ったとしても、この勢いなら到着した時には全員食われているだろう。
そう思わざるを得ないほど、凄まじい勢いで部下たちは死んでいた。
その現実を見せつけられた二人は、無力感に打ちのめされてしまう。
しかしそれでも重い体を動かそうとした時、その声は聞こえてきた。
「扉を開けろ!! 跳ね橋を下ろせ!! このままでは全員食い殺されてしまう!! とにかく外へ逃げろ!!」
その声に、思わずメスナーは叫んだ。
「や、やめろ!! 扉を開けるな!! 跳ね橋を下ろすな!! それこそ奴らの思うつぼだ!!!!」
しかし、時すでに遅し。
その声は全く聞かれることなく、気付けば四方の扉と跳ね橋は全て下ろされた後だった。
それと同時に、魔獣に追い立てられて命からがら逃げ出していく兵たちと、その先で手ぐすね引いて待ち構えるブルゴー兵たちが見える。
それを見たクレーマンとメスナーは、最早諦めるしかなかった。
「終わった……我らの負けです。ここまでしておきながら、アストゥリアからの援軍すら待てずに我らは籠城に失敗したのです……」
「鉄壁の守りを誇るライゼンハイマー城とは一体なんだったのか。ここに閉じ籠もってさえいれば、軽くひと月は持ち堪えられると思っていたものを……まさか自分たちから扉を開け放つことになるとはな。 ――この策を弄した者は、まさに悪魔としか思えぬ……せめて死ぬ前に見てみたいものだ。きっと悪鬼のような顔をしているに違いない」
「ふふふ……仕方ありませんよ。今さら何を言っても無駄でしょう。 ――相手が人であったなら、まだ何とかなったのかもしれません。しかし部下たちにアレを相手にしろなどと、私にはとても……」
「まぁな」
「こうなれば、あとは玉砕しかありません。なれば我らも下に降りて戦うまで。そして派手に――」
「グルルルゥ……」
「ゴルルゥ……」
兵たちに合流しようとクレーマンとメスナーが階段に向かった時、突如横手から唸り声が聞こえてきた。
さすがは名うての剣士と言うべきか、咄嗟に二人は剣を構えたのだが、相手の姿を見た途端、ともに死を覚悟してしまう。
それは化け物だった。
遥か眼下を見ている時にはわからなかったが、こうして近くで見ると到底敵う相手ではないことがよくわかる。
地を踏みしめる四肢でさえ人の胴体ほど太く、開け放たれた口は人間を丸呑みできるほど大きい。
身体の大きさだけ見れば鈍重そうな印象を受けるが、人間の反応を上回る素早さはすでに承知していた。
そんな体長3メートルを超える見るも恐ろしい二匹の魔獣が、二人の前後を挟み込む。そして威嚇しながらゆっくりと周囲を回り始めた。
上から下までじっくり睨める様はまさに獲物を狙う空腹の獣そのものでしかなく、その姿に意図せずメスナーは笑ってしまう。
それほど長く生きてきたわけではないが、それでも最後に獣に食われて死ぬなど全く考えたこともなかった。
もしも死ぬなら、戦場で華々しく散っていくものだとずっと思っていたのだ。
にもかかわらず、これだ。
これを笑わずに何を笑う?
「ふふふ……遂に我らにも焼きが回ったようですね。最早部下を救いに行くことも儘ならず、かと言って逃げることも叶わない。 ――ならばここで、最後に一花咲かせて見せましょうか」
「ふふんっ。メスナーよ、お前ばかりに良い格好はさせぬぞ。俺とて百戦錬磨の鬼隊長と呼ばれているのだ。 ――とは言え、さすがに魔獣は初めてだ。ゆえに我が剣が何処まで通用するか試してみるのも悪くない」
申し合わせたわけでもないのに、全く同じタイミングで互いの顔に目配せしたクレーマンとメスナー。
彼らは揃って一瞬何かを言いかけたが、そのまま口を閉じると同時にゆっくり頷いた。
「ならばいきますか?」
「うむ。相手にとって不足なし!! いくぞ!!」
「はい!!」
――――
「いいか、敵は死に物狂いだ!! 武器すら持っていない者も多いが、決して気を抜くな!! 奴らに殺された仲間たちを思い出せ!! 端から皆殺しにするつもりで迎え撃つんだ!!」
「はいっ!!」
「全員橋の中央に寄って、敵兵は左右の端を走らせろ!! 鎧を着ている者は泳げない。容赦なく突き落せ!!」
「おぉ!!」
そんな掛け声が飛び交う中、城の四方で始まった両軍の衝突は、あっと言う間に結末を迎えることになる。
もとよりカルデイア兵たちはブルゴー軍と戦うどころではなく、突如降りかかってきた災厄――101匹マンさん大行進――から逃れようと必死だったのだ。
その証拠に凡そ半数は武器すら持たずに逃げ惑い、残りの者もすでに戦意を失っていた。
それでもブルゴー軍は、仲間を殺された恨みとばかりに情け容赦なく彼らに刃を向ける。
ある者は斬られ、ある者は仲間に踏み潰され、そしてある者は堀に突き落とされた。
堀に落ちた者はそのまま溺死し、そうでない者も殆どは地に伏していく。
それは最早戦闘と呼べるようなものですらなく、一言で言い表すなら「虐殺」だった。
この世のものとは思えない、突如空から舞い降りてきた恐ろしい魔獣。
恐怖のあまり戦うことを放棄したにもかかわらず、容赦なく襲いかかられ、食い殺され、やっとの思いで逃げ出したかと思えば敵兵に虐殺される。
逃げ出したのか死んだのか今となっては不明だが、指揮官さえ不在のカルデイア兵は今や軍の体裁を全く成していなかった。
そしてモンタネル大陸西部地域最強と謳われてきたカルデイア軍は、ここに完全に瓦解したのだった。
――――
ライゼンハイマー城の中庭の隅にある小さな離宮。
そこは王侯貴族の中でも犯罪に手を染めた者、権力闘争に敗れた者などを一時的に収容する施設のような場所だ。
ここ10数年は全く使うこともなく放置されていたのだが、数日前から放り込まれている者がいた。
もちろんそれはカルデイア大公国大公であり、現職の国家元首でもあるセブリアン・ライゼンハイマーに他ならない。
首都ベラルカサに迫りつつあるブルゴー軍に対して、執拗に打って出ることを唱え続けたセブリアン。
籠城を進言する部下に全く聞く耳を持たず、まるで狂人の如く同じことを叫び続けた彼は、軍部に反旗を翻されて無理やりここに放り込まれていたのだ。
恐らく軍部は今後の交渉材料としてセブリアンを使うつもりなのだろう。
その証拠に、離宮から出る以外には特に不自由なく暮らすことが許されたどころか、唯一の家族でもある妻――ペネロペも一緒に放り込んだ。
とは言え、妻を愛していないどころか憎しみさえ抱いていたセブリアンは、ペネロペに対して暴言を吐き続けた。
そして泣き叫ぶ彼女を力任せに組み敷くと、叩き、殴りつけ、大勢の使用人たちの前で連日犯して晒し者にした。
そんな最早狂ったとしか思えないセブリアンがちっぽけな支配欲を満たしていると、ある日突然それはやって来たのだ。
「ひぃぃぃ!! ば、化け物だ、逃げろ!!」
「お、お助けを!! きゃー!!!!」
何の前触れもなく、突如離宮に響き渡った使用人たちの悲鳴。
メイドたちは逃げ惑い、執事は走り回り、護衛の騎士たちは剣を抜く。
その現場に飛び出したセブリアンは、自ら窓の外を覗き見た。
「なっ……なんだあれは……!!」
驚きのあまり見開かれる、暗く濁ったセブリアンの瞳。それと同時に大きく口も開け放たれる。
なぜならそこには、信じられない光景が広がっていたからだ。
決してこの世のものとは思えない巨大で凶暴な獣が、次々と兵たちを食らっていく。
血飛沫が舞い、手足が千切れ飛び、断末魔の叫びが響き渡る。
その光景にセブリアンが釘付けになっていると、背後から声をかけられた。
「へ、陛下、いったいあれは何ですの!? ど、どうしてこのようなことに!?」
「何だ貴様!? 気安く声をかけるな。俺が知るわけなかろう!!」
「こ、怖い……私は怖いのです……あぁ、陛下……どうか、どうか私を助けてくださいまし!!」
あれだけ辛く当たられて連日晒し者にされながら、何故かペネロペはセブリアンを頼ろうとする。そのうえ服の端を掴んで離そうとしない。
歪んだ顔は今や真っ青に血の気が引き、恐怖のために余計に醜く見える。
そんな妻を冷たく彼は振りほどいた。
「えぇい、放せ!! 薄汚い手で俺に触れるな!! 一体何の了見で俺が貴様を守らねばならんのだ!! この化け物め、死ぬなら勝手に死ね!!」
「あぁ……セブリアン様……」
乱暴に振りほどかれ、勢いよく地面に突き倒されたペネロペは、遂にその場で泣き始めてしまう。
シクシクと声も上げずに、潰れていない片方の目からのみ涙を流して泣くペネロペ。
そこには以前のような高飛車で己の美に酔いしれる姿は微塵もなく、今やビクビクと怯える捨てられた子犬のような女がいた。
「ふんっ!! なんと言われようとも、貴様を助ける義理など俺にはないわ!!」
「し、しかし……私は貴方様の妻では――」
「そんなものは形だけだ!! そもそも貴様は、殺したいほど俺に憎まれているのは知っていよう!! なのに何故俺を頼ろうとする!!」
「わ、私は……私は……一人では生きていけませぬ。どんなに憎まれようと、疎まれようとも、貴方様の庇護がなければ生きては――」
「なれば、何故あのようなことした!? なぜジルダを死に追いやったのだ!? あのようなことをすれば、俺に疎まれるのはわかっていたであろうに!!」
「あぁぁぁぁ!! 申し訳ありませぬ!! 申し訳ありませぬ……あの時の私はどうかしていたのです……いまさら謝罪をしても手遅れなのは十分承知しております!! ですが……ですが……せめて……うあぁぁぁぁ!!!!」
「ふんっ!! そこまでわかっているのなら、この際潔く死んだらどうだ!? どのみちこの状況では生き残れまい!! ――よもや自ら命を断つ勇気すらないと言うのか!?」
「うぅぅぅ……どうか、どうか……」
夫に何と言われようとも、最早泣くことしかできないペネロペ。
その彼女に尚も言い募ろうとしていると、その横から突然声をかけられた。
「ペ、ペネロペ様? そこにいらっしゃったのですね!! やっと見つけましたよ、ご無事でしたか!?」
その声に向かって、同時に振り向くセブリアンとペネロペ。
するとそこには一人の騎士が立っていた。
深くヘルムを被っているので顔はよく見えないが、恐らく20代半ばであろう若い男がガシャガシャと鉄鎧の音を響かせながら近寄ってくる。
そしてセブリアンの姿を認めると咄嗟に姿勢を正した。
「し、失礼いたしました、大公陛下!! わ、私は以前ペネロペ大公妃様付きの護衛をしておりました、フリッツ・トラウトマンと申します!!」
「……何の用だ、トラウトマン。見ての通り、俺と妃は取り込み中なのだ。そこに割り込んでくるとは中々の度胸だな」
細い瞳でギロリと睨みつけるセブリアン。
その視線にゴクリと唾を飲み込んだトラウトマンだったが、果敢にも口を開いた。
「し、失礼ながら申し上げます!! 現在我らは敵――ブルゴー軍の攻撃を受けています!! 外で暴れているのは敵魔術師が放った化け物のようです!!」
「……そんなことは見ればわかる。そうではない。何故貴様がここにいるのかと訊いているのだ。確か貴様は、此奴が結婚したと同時に護衛の任を解かれたのではなかったか?」
「そ、それは……」
思わず言い淀むトラウトマンが咄嗟に答えられずにいると、代わりにセブリアンが答えた。
「大方我が妻が心配だったのであろう。そんな顔をしているぞ?」
「い、いや、その……」
「トラウトマンと言ったか? その顔は俺もよく知っている。確か貴様はこれまで長くペネロペに付き従ってきた馴染みの護衛騎士だったな。此奴が公爵令嬢だった時に横にいたのを憶えているぞ」
「は、はい!! 私はペネロペ様の護衛を仰せつかってからこの5年、片時もお傍を離れたことはございませんでした!! ペネロペ様の安全をお守りする。それが私の使命でございますれば!!」
「ほう……そうか。それで任を解かれた後にもかかわらず、妃の危機に居ても立ってもいられずに駆けつけてきたというわけか」
「は、はい!! その通りであります!! 突然恐ろしい魔獣が暴れ始めたものですから、私はペネロペ様のことが心配で――」
変わらず直立不動のまま答えるトラウトマン。
その彼にセブリアンは意味ありげな視線を投げた。
「そうか、わかった。しかし一つ訊こう。貴様がここに駆けつけた理由――本当にそれだけか? 単に仕事に熱心なだけなのか?」
「えっ?」
「以前から貴様のことが気になっていた。いや、正確に言うなら、我が妻を見つめる貴様の瞳が俺はずっと気になっていたのだ」
「お、恐れながら申し上げますが……仰る意味がよくわかりません……」
「ふふふ……いい機会だ。せっかくだから答えてもらおうか。 ――貴様は此奴のことをどう思っているのだ?」
「ど、どうとは……」
そう告げながらペネロペを指差すセブリアンと、突然の問いに戸惑ってしまうトラウトマン。
その顔には、何かを恐れるような表情が浮かんでいた。
するとセブリアンは、まるで躊躇なくさらに斬り込んでいく。
「ふふふ……意味がわからないか? ならば、わかるようにもう一度言ってやる。 ――貴様はペネロペを好いているのではないかと、俺は訊いているのだ。 ――さぁわかったか? さっさと答えろ」
「えっ……?」
まるで想像だにしていなかったその言葉に、思わずペネロペはトラウトマンを凝視してしまう。
そんな彼女に一瞬視線を向けると、トラウトマンは苦しそうに言葉を絞り出した。
「そ、それは……」
「この状況にもかかわらず、わざわざ貴様は此奴を連れ出しに来たのであろう? しかし答え如何によっては、夫として妻を連れて行かせぬ。 ――さぁ、如何する?」
「わ、私は……」
「よいか? 一度口から出した言葉は二度とは戻せんぞ。よく考えて答えろ」
「わ、私は……ペネロペ様を……」
「……」
「ず、ずっとお慕い申し上げておりました!! ――初めて会った5年前、これほどまでに美しい女性がいるのかと本気で思ったものです。しかし私はしがない護衛騎士。出自も貧乏伯爵家の三男坊でしかなく、とても想いなどを伝えられるものではありませんでした」
「フリッツ……貴方は……」
まるで独白のようなトラウトマンの言葉。それを聞いたペネロペは、今や泣くことさえ忘れていた。
するとセブリアンは、ふと体の力を抜いた。
「わかった……では連れて行け」
「えっ?」
「此奴を連れて行けと言っているのだ。 ――言っておくが、俺は気が短いぞ? なれば気が変わらぬうちにペネロペを連れて何処へなりとも消えるがいい」
「へ、陛下……」
「しかし言っておく。ここから生き延びるのはかなり難しいと言わざる得ぬ。にもかかわらずそれを遂げられたなら、この女は貴様の好きにしろ。 ――もっともこの醜い顔では、何処へ行っても化け物と蔑まされるだろうがな」
「へ、陛下は? 陛下はどうされるおつもりなのです? もしも伝手がなければ、私達と一緒に逃げて――」
突然セブリアンの眉が跳ね上がる。
そして勢いよく言葉を吐いた。
「えぇい忌々しい、早くいけ!! あの化け物がここまで来るのも時間の問題だ。3人仲良く食われたくなければ、さっさとそれを連れて行けと言っている!! どのみちカルデイアは終わりだ。俺が死ねば此奴は大公妃でもなんでもない。 ――貴様の女にするもよし、捨てるもよし……好きにしろ!!」
「陛下……」
「しょ、承知いたしました!! それでは私はペネロペ様をお連れして消えます!! ――それでは陛下お達者で。失礼します!!」
恐らく迷っていたのだろう。
唇を噛み締めて難しい顔をしていたトラウトマンだったが、突然頭を上げると勢いよくそう告げた。
そしてペネロペの手を掴むと、優しく立ち上がらせる。
「さぁ、ペネロペ様。私と一緒に行きましょう。頼りない護衛ではありますが、この生命をかけて貴女様をお守りすると誓います」
「フリッツ……」
結局ペネロペは、夫――セブリアンには一言も告げずに去っていった。
まるで父親に連れられる幼い少女のように、トラウトマンに縋り付いていったのだった。
そんな二人の背中を眺めながら、セブリアンは独りごちる。
「ふんっ!! 何奴も此奴も好き勝手しやがって。どうせあの二人は生き延びられまい。この城から出ることさえ叶わずに食い殺されるのがオチだ。 ――精々この先の夢を見るんだな。まったくいいザマだ!!!!」
そう告げながら大きく鼻息を吐くセブリアンは、誰に告げるでもなく大きな声を上げた。
「俺は逃げも隠れもせぬ!! さぁ、勇者ケビンよ。さっさとここまでやってこい!! 必ずや首を取ってやるから、今から覚悟しておけ!!」
周囲を悲鳴と怒号が轟く中、仁王立ちのまま窓の外を睨みつけるセブリアン。
今やその姿には、決死の覚悟が透けて見えた。








