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世界で一番弱い冒険者  作者: 弥琴
序章
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序章 『日常が終わり惨劇が始まる』

 第一章は彼が最弱になるまでの話です。

 

 なるべく、分かりやすく書けたらいいなと思います。

序章 『日常が終わり惨劇が始まる』


高校二年生の俺――鐘白沙月(かねしろさづき)は日々増殖していく引篭もりというクズな人生を送っていた。

部屋のカーテンは閉め切って日の光が少しも入ってこない部屋を作り上げ、

アニメ、ゲームといったことを毎日同じ事を続けて今もなお俺は生き続けている。

当然、生活リズムなんて数ヶ月前に壊れて目の下にはいつも隈があり、眠たそうな目をしている。


それが俺だ。


だが、少し面白いと思うが俺はよくアニメとかに出てくるデブではないし、学力も悪くはない。

そもそも、こんな生活を始めたのは高校二年に入った頃からだからそんな早く俺はデブにはならないし学力は落ちないと俺は思う。

外にもちゃんと毎日出ている。

夜の十二時に毎回コンビニにいって食料調達をしている。

深夜に外に出て補導されないかって聞かれたら俺を毎回こう言う。


「家から十分でいけるコンビニに行って補導される奴は馬鹿だよ。てか、補導されていないから俺は今も行くじゃん」って毎回姉貴には言っているが、その度に俺と姉貴は喧嘩をする。

でも、家族だからいくら喧嘩しても仲直りはした。









――そんな日常がこれからも続くと思っていた。

が、それは浅はかな考えだった。

日常を送る時間は人である限り有限であり、それをどう使うかはその人次第だ。

その与えられた時間の中サヅキは日常を送る有限の時間はついに終焉を向かえ入れ

あたりまえと思う日々は突然壊れ始めた。


「姉貴!姉貴!開けてくれ!」

バチバチと火花が真夜中の暗い夜空を照らすように散る。

燃え上がる火の源は家の中だ。


家の中には姉貴がまだいる。なんで?どうしてこうなったんだよ!?

必死にサヅキは家の中に繋がるドアを何度も叩く。中には聞こえはしないが今彼ができる事はそれが精一杯なのだからだ。例え拳から血が出ても。


既に消防車を呼んだが未だにサイレンは聞こえず。火花が散る音を聞いて周囲に住む住人は家から何人かは出てきていた。

サヅキの目にも何人かは映っている。

ドアを叩くのを中断しサヅキは縋るように周りの人に、


「誰か助けてください!家の中にはまだ姉がいます!誰か!誰か!誰か見てるだけじゃなくて助けて!!」

数ヶ月まともに声を出さなかった喉はいきなりの大声に付いていけず一瞬にして喉を壊し、

声を封じ込んでしまった。

喉がイガイガと裂けるように痛み熱を発する。

サヅキは助けを求めたが、

周りの反応はサヅキに向かって可哀想と思う視線だけを送り、スマホを取り出し写真を撮り始めた。


――どうしてだよ・・・・どうして誰も助けてくれないんだよ。

殺意が沸く。こんな奴らを見ていると殺したいと思うサヅキだが、今は誰でもいいから大人の力が必要だったサヅキは一人の大人に縋りつき、


「お願いです・・・・助けて、僕の姉を助けてください!」

顔を涙と鼻水でグチャグチャにし一人の大人にサヅキは縋りつく。必死に懇願するサヅキを振り払おうとする大人。


「おい!ガキ、放せ!」

己の服にしがみ付くサヅキの手を何度も振り払おうとするが放すまいとサヅキは手に力を入れる。

「嫌だ!嫌だ!助けて!お願いだから!何でもするから!」


「いい加減にしろ!」

男は、サヅキの顔面を力強く殴りつける。衝撃でサヅキは後ろへ倒れ、ダラダラと血を垂れ流す鼻を押さえのた打ち回る。


――痛い・・・・・痛い・・・・・痛い。

痛みに耐えながら体を起こした刹那、突如、大きな爆発音がした。

「ガスだ!」「ガスが爆発した!」

などといった声が周りから聞こえる。


――うそ、だろ?

激しく燃え上がる炎は家を包み込み、暗い夜空を明るく照らす。

それを目にしたサヅキはあらゆる音、現実から目を背けるように笑い始める。狂ったように。

ガラガラと音を立て家は徐々に崩れ始め、誰もが呆然と立ち尽くす中、サヅキは笑いながら炎へ向かって歩き始める。


「お、おい、ガキ、何している!?」

男の問いはサヅキの耳には入らず、フラフラと炎の中へ足を運ばせ、

玄関の前に着くと静止する。すでに炎の熱は肌に刺激するが今のサヅキには熱いなどといったことは感じない、あるのは無だった。

ふいにサヅキのポケットからバイブ音がなり携帯を取り出す、と一通のメールが届いていた。


「――っ!!」

メールを開いた瞬間、全ての時が止まったかのようにサヅキはその場に硬直し、涙を流した。



――サヅキ、生きて。


姉からの最後の一言だった。

数年間、姉との会話はしてきたがこれほどまでに心が締め付けられ殺される感覚は初めてだった。

――俺のせいだ、俺のせいだ、俺のせいだ。俺がお姉ちゃんを殺した。

何より、サヅキはこの現実を受け入れ切れず嗅覚、聴覚を閉ざしてしまったのだ。


「うわあああ!!」

心の底から恐怖が溢れその場から逃げるように道端に飛び出た刹那、


「ガキ!あぶねえ!!」

男の声が耳に入った時にはサヅキの体は遅れてきた消防車に跳ね飛ばされた頃だった。


 第一章が終わるまで毎日投稿目指してがんばっていきます!


 次もよろしくお願いします。

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