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第208話 神の啓示

 時計の針が二十三時に差し掛かると、キャスティルから与えられた課題を終わらせる。


「お疲れ。明日は黄色の付箋がしてある箇所を重点的に解いていくぞ」


「分かりました。明日も並木道で合流しましょうか?」


「いや、ここの座標も把握できたし頃合いを見計らって現れる。一応連絡先を交換させてもらうぞ」


 互いのスマホから連絡先を交換すると、目の前にいる人が女神と忘れてしまいそうな感じだ。女神なら特定の人物に脳内へ直接語り掛けるような魔法もあるのではと思ったが、どうなのだろうか。


 時雨は興味本位で訊ねてみると、返答は意外な結果であった。


「あれは神の啓示を実行に移す特別な通信手段だ。主に我々が登用する人間等に対して行う」


 そんな連絡方法はないと一蹴されるか、秘密事項だから詳細は喋れないと予想していた。

 なるほど、聖職者等が神の啓示を受けたと宣言する者は案外本当なのかもしれない。

 時雨も一度体験してみたいが、女神に登用されるような条件を満たしているとは到底思えないし、こればかりは諦めるしかない。


「でも、そっちの方が連絡手段としては確実なんだよな。誰にも聞かれず直接伝えたい相手に連絡できるし、スマホは紛失したら着信履歴やメールを誰かに覗かれたりする危険もある。そうだな……やってみるか」


「特別な通信手段を勝手に使用して大丈夫なんですか?」


 神の啓示を時雨のような一介の人間に電話代わりとして使用するのは気が引けるし、罰が当たるような気がする。


「お前達の件で使う分には問題ないだろう。準備が整い次第連絡する」


 キャスティルはそう言い残して、先程自室に入ったようにスマホを媒介にして操作するとその場から消えてしまった。最初は不安しかなかったが、まるで台風が過ぎ去ったみたいな安堵感に包まれると、最終的に家庭教師の役割を果たして帰って行ったキャスティルに感謝したい気持ちだ。


(ふう……お風呂に入るか)


 一人になった時雨は両手を広げて解放感に浸ると、明日も学校があるのでお風呂に入ってすぐに就寝する。

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