1、最近、不法侵入が多い
ギャグよりな感じ・・・?
後に、世界史に残る出来事、人魔大戦の時代、人間界の七割程、魔族の手中にあった時代のこと、世界というものは不思議で、人間を苦しめる、いわゆる悪いやつ、俗に言う、魔王がいれば勇者もいる
不躾な事に、今、勇者が我が家に突撃して来ている
「覚悟しろ!人殺しめ!魔族姫リーシュ!」
目の前にいる勇者は小柄で、あっちの町にも、そっちの町にもいそうな顔、よく言えば、平均顔、悪く言えばモブ顔だ、
(勇者、としていいのかモブ顔)
しかも
「仲間はどうした」
頭の中で浮かんだ疑問がつい、考える事無く飛び出す
「どっ・・・どうだって・・・いいだろ!」
(なんだろう、序盤でやられそうなレベルの発言)
リーシュは腕を組んでうなる
「覚悟おぉぉぉ!」
勇者は剣を振りかざし飛び掛ってくる、が、剣は私を掠めることさえしなかった
勇者は横に吹っ飛んだのだ
「姫に・・・剣を・・・姫が傷ついたら、どうしてくれるんだ!?三千歳にもなって嫁入り前なのに!」
補佐役、アスモデウスが勇者に馬乗りになり、殴る
どうやら、とび膝蹴りをお見舞いしたようだ
(今、失礼なことを言ったような・・・気のせい?)
「アスモ、いい、離してやれ」
静かに諭す様な口調で告げる
「しかし・・これでは、全魔族の長たる姫の示しが付きません・・・」
奥歯を噛み、悔しそうな表情でうつむく
「いいさ、おもしろい事を思いついた」
リーシュは、にやっ、と笑う
「あ、嫌な予感が致します」
幼少の頃から仕えてきたアスモだからこそ分かる、姫の言う、面白いこと、は大抵悪夢だ
「なあ、勇者サマ、入れ替わらないか?お前が魔族で私が、人間として」
「えええええええええっ!?」
勇者は素っ頓狂な叫び声をあげ
アスモは口をあけ、絶句していた