CARD7
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それから小一時間、ギャル子と俺でバトルを続けたところで、俺はふとある疑問を口にした。
「そういえば、他の部員は何人くらいいるんですか」
俺が聞くと、先輩な表情が歪んだ。
「実はね、去年は部員が四人いたけど、今は私と幽霊部員一人だけなんだ」
まずいことを聞いちゃった、先輩の顔を見てそう感じた。
「だから、二人には絶対入って欲しい。大会も目前だし」
先輩は、本当に真剣な目で俺たちを見た。
「すぐ大会あるんですか」
ギャル子が聞く。
「アーツの甲子園、全国高校選手権が目前に迫ってるの」
全国高校選手権。
アーツ社が主催する大会ではもっとも権威がある学生向けの大会だ。
三人+交代要員一人のチーム戦。
まずは五月に行われる県予選に参加することになる。ここで上位二チームに入ると、次の関東大会に駒を進める。そこで上位六チームに選ばれれば、晴れて本選出場となる。
「じゃぁ頑張らないとですね!」
ギャル子がそういうと、先輩はうれしそうに目を細めた。
「善は急げ、今日から幕張目指して頑張ろう」
「はい!」
もうこの頃には、なんだか今更入部しませんとは言えない空気になっていた。
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