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CARD44

 ◇


 汗の匂いがした。

 誰のものかはわからない。空調はしっかり効いている。でも、それでも、息をのむような試合が目の前で展開されているのだ。

 俺は血は幕張、その憧れの舞台にいた。

 もちろん、観客としてだ。

 全日本学生選手権決勝戦。桜華院高校が今、優勝に王手をかけている。

 もちろん、相手も強敵だ。強力なデッキを用意してきている。だが、貴文はそれを簡単に超えていく。

 相手はその最後の一枚を引く。そして次の瞬間、すべてを悟った。デッキトップに掌を置いて、その手をそのまま差し出した。その手を貴文が握り返す。

 貴文の勝利だ。無敗の歴史に、また新たなページが刻まれた瞬間だ。

 会場が大きな拍手に包まれる。

「来年こそは」

 隣で先輩が言った。

「来年こそは、あそこに」

「はい。絶対に」

 その時だ。

 貴文と目が合った。単に俺のほうを見ているだけ、いやそんなことはない。彼の眼は確実に俺をとらえている。

 ――僕はここで待ってる。

 王者は、そう俺に語り掛けている。そんな気がした。



(END)


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