CARD39
◇
俺たちは保健室に入ると、先輩は布団に見を包んでいた。音で起きたのか、ゆっくりその瞳を開いて俺たちに向ける。
「優輝くん……」
「先輩、大丈夫ですか」
俺が聞くと、しかし彼女は、
「二回戦は?」
と真っ先に勝負の行方を聞いてきた。
「勝ちましたよ――“先輩”のお陰で」
と、そこで先輩は俺の後ろにいる人物にようやく気がついた。
「影山……くん?」
「おう、桜木。どうした情けないな」
「どうしてここに?」
「先輩が体調悪いって言ったら、飛んできてくれたんですよ」
俺が説明すると、桜木先輩は目を見開いた。
「あまりにも可愛そうだったからな」
と、影山先輩は自然と笑みを浮かべていった。
「影山くん……ありがとう」
影山先輩は照れくさかったのか、すごく不自然に話題を変えた。
「それにしても、お前があの三島に勝ったのか」
影山が姉ヶ崎に言った。
「こないだまでど素人だったのに、やるじゃないか」
「いえいえそんな」
確かに、彼女は成長著しい。この三か月、彼女はスポンジが水を吸うように、成長してきた。そのことは、毎週“家庭教師”をしていた俺が、一番よく知っている
「“する”と“できる”の違いもわからない初心者だった姉ヶ崎が、まさかあの三島に勝つなんてね」
――ん、待てよ。
その言葉は、自然と出てきたものだった。だが、自分の口から出てきたその言葉が、まるで雷のように俺の脳裏で轟いた。
待てよ。
改めて、そのカードのテキストを読み直す。
<繁盛する酒場>
この三ヶ月のデュエルが、走馬灯のように頭の中を駆け巡る。
そして、俺はようやく気がついた。
勝利の方法は一つじゃない。そう姉ヶ崎に教えたのは自分じゃないか。
そうか。
貴文が導き出した答え。
いや、だがそれで“常勝”が可能か。頭の中で計算する――ギリギリ、だけど確実に可能だ。俺が考えた通りなら、このデッキは確実に、勝てる――相手がこのデッキに対して対策を練っていない限りは。
「どうした?」
いきなり立ち止まった俺を、二人が覗き込む。
「俺、貴文の戦略がわかりました」
「なに?」
◇




