誰も入れるな
荒池俊哉巡査が田辺耕造のアパートに立ち寄ったのは全くの偶然だった。
もちろん田辺が高利貸しをしていることは知らされていたので、
時々パトロールをしていた。
その日も、いつものように田辺のアパートを訪れた。
「田辺さーん。交番の荒池でーす。なにか変わったことはありませんか?」
返事はなかった。
中に入ろうとしたが、ドアには鍵がかかっている。
裏の大きな窓から覗いてみたが、誰もいない。
しかしテレビの音が聞こえるので、なかに誰かいるのであろう。
ひょっとしたらトイレで倒れてたりして・・・・
慌てて荒池は大家に鍵を借りに行った。
中に入ると荒池は足がすくんでしまった。
部屋の中央で田辺が血まみれで倒れている。
荒池は急いで本署に連絡した。
「はい、そうです。家中の窓やドアには鍵がしっかりとされていました。あと犯人のものと思われる指輪が落ちていました。どうしたらいいですかね?」
荒池は突然の事態過ぎて少々ハイになっていた。
電話の向こうの刑事は
「よしわかった。いいかお前は絶対に触るな!指輪も部屋のものも全部だ!絶対に触るな。それから家の中に誰も入れるな!総理大臣が来てもだ!わかったな。」
荒池はすぐに外に出て玄関の鍵を占めてドアの前に弁慶のように立ちはだかった。
数十分後刑事たちが到着した。
「誰もいれなかっただろうな。」
「大丈夫です。猫一匹入れておりません!」
「よし。それじゃあ問題の指輪はどこだ?」
「遺体のそばに落ちています。」
「どこだ?見当たらないぞ。まさかお前盗んだりしてないだろうな?」
「そんなことはしていません!」
「なら一体どこに?」
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今回は少々難しいと思うのでヒントを書きます。
指輪は確かに荒池が見たときはありました。
そして持ち出したのは犯人です。
なので今回はどうやって犯人は指輪を持ち出したか、です。
わかった方は感想の方に書いてください。
解答は7月27日に活動報告書に書きます。
ちなみにこれは「5分で解くミステリー」という本を参考にしています。