第二十一話 三対三
リザードマンをまとめるオブリガートと対峙。フーガが先制攻撃を仕掛けた。
「フォーコ!」
「なるほど……」
頭上から降ってきたそのスライムを、オブリガートは片手で払い簡単に跳ね返した。フーガはそれでも炎を離さず、落ちるように地面に着いてオブリガートを見据えた。
「なるほど。倒せる魔族を一掃して不意打ちをしようとしたようですね。一見、うまくいったようには見えますが……」
フーガとオブリガートは互いの出方を伺うように、火球と銃を構えてその場で動かず見つめ合っている。
「"メタール・ラ・シュット"!」
「ぐるるぁっ!」
オブリガートの後ろでは、カルマンドが落とした金属の塊を荒々しいリザードマンが地面を隆起させて防いでいる。
「いけっ!フォリア!」
「ぐる……」
フーガの後方では、カノンが飛ばした木の葉が落ち着いたリザードマンの飛ばす氷によって撃ち落とされていた。
「二体の推定Under-1レベルと、一体のUnder-2の上澄み。カルマンドの身動きを取れなくすれば、負ける可能性は無くなるでしょう」
「できれば、の話でしょ」
それを言い終わった直後、ぐっとその場で潰れて跳ね上がろうとしながら叫ぶ。
「フォーコ!」
オブリガートは自分の顔の前まで飛んでくると予測し、顔の高さより少し上へ銃を構え、すぐに撃った。しかし、そこにスライムの姿はない。次に元いた場所へと視線を戻すが、そこにさえいなくなっていた。
「知らない?スライムってすばしっこいんだって」
後ろからその声が聞こえたオブリガートは、振り返るほどの時間も与えられなかった。
「フォーコ―――」
「ぐるぐあぁっ!」
火球が命中する寸前、荒々しいリザードマンが叫び、地面を勢いよく隆起させフーガを打ち上げた。フーガは空中に打ち上がり、身動きが取れなくなる。オブリガートが弾を込め、落ちるスライムに銃口を向けるのが見えた。
「カノン!」
「はい!」
カノンはオブリガートの方へ根を伸ばし、銃を構え、今引き金を引かんとするその手を叩き銃口をそらし、弾丸は何もない場所へ飛んだ。
「ぐるぅ……」
しかし、カノンが目を離したその隙に冷気をまとったリザードマンが指先を向ける。カノンはその光る目をすぐにそのリザードマンの方へ向けたが、すぐに対処できそうもなかった。
「危ない!フォーコ!」
冷気とともに尖った氷の欠片がカノンを襲う。その瞬間、フーガが放った火球がそれを遮るように落ち、氷の欠片を溶かし尽くす。
「ありがとうございます!」
「クソ……これじゃこっちから仕掛けることができない!」
フーガは地上に落ちると、カノンの隣へ走る。
「これなら一緒に戦ったほうが良いね」
「カルマンドさんは?」
「カルマンドは多分、大丈夫そう」
フーガとカノンの視線の先にはオブリガートと氷魔法のリザードマン。そしてその奥では、カルマンドが土属性のリザードマンと戦っている。
「ぐるるぅっ……!」
「おそイ……!」
その二体の戦闘は、カルマンドが優勢に見えた。
次回 第二十二話『Under-2のトップレベル』
2/14 (土) 20:00更新予定




