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第十六話 時計じかけの弾丸

オブリガートに植木鉢作戦は効かなかった。

「エ、ええト……」

長銃が向けられた先の植木鉢のことをちらちらと見ながら、カルマンドは次の言葉を言い淀んでいた。知らないと言えば三体とも撃たれ、知っていると説明すれば自分から先にやられるかもしれない。

「思い出すべきことがあるのなら待ちましょう。しかし、あまり時間を無駄にしないでください」

オブリガートが言い終わった瞬間、

「"メタール・ラ・モンテ"!」

咄嗟の詠唱にオブリガートは対応できず、足元から高く隆起する金属の塊に跳ね上げられた。カルマンドは魔法製の金属を消滅させ叫ぶ。

「みンな!」

「了解!」

その声と同時に、植木鉢の中からカノン、フーガ、カストラータが飛び出す。空中に打ち上げられたオブリガートを見て、カストラータが二体の前に出てぺたんと平たくなる。

「乗って!」

「わかった!」

「スライムって飛べるんですか!?」

「いいから!」

フーガに急かされてカノンが遅れて乗ると、カストラータが元の形に戻ろうとする力で空に跳ね上げられる。

「なんですかこれ!?」

「カノン!やるよ!」

「あ、はい!」

フーガはカノンにぴったりとくっつき、魔法を撃たんとオブリガートの方向を見る。

「あのスライムが……」

「行くよ!せーの!」

「せーの!」

「「"フーガ砲"!」」

二体は同時に叫び、魔法を放った。その魔法は詠唱の力が乗り、大きな炎の球に木の葉が渦巻いてオブリガートに迫る。それはオブリガート直撃し、ぼんと大きな音を立てて破裂した。

「やった?」

二体が地上に降りて空を見上げると、そこにオブリガートの姿はなかった。

「……どこに落ちました?」

カノンは地上をきょろきょろと見回す。

「とりあえず、一旦隠れよう。けっこう騒いじゃったでしょ。カストラータとカルマンドも」

「うん!」

「わかっタ」

フーガが先頭になって狭い路地へと走って行く。カルマンドは路地の中に身体を入れると、遅れていたカストラータに気づいて振り返る。

「カストラータ」

「すぐ行く!」

そのとき、カストラータが貫かれた。大きな破裂音が響くと、広場の方向から弾丸が放たれ、カストラータに直撃し、破裂した。カルマンドはその瞬間を眼の前に見た。

「カストラータ!」

次に気づいたフーガがカノンの葉の中から復活草を取り、そこへ目掛けて投げた。しかし、カストラータが飛び散った場所に落ちる前に撃ち落とされてしまう。

「ど、どうしましょう!」

「一旦逃げるよ!カルマンドも!」

カルマンドは数秒の間、足が動かなかった。

「……ワかった」

フーガの呼びかけにようやく答えると振り返り、二体の魔族とともに、弾けてしまったカストラータを背に走って行った。

「フォスキア全域のリザードマンに告げてください。フーガ、カノンというスライムとゴーストに加え、カルマンドという女のリザードマンを殺害してください」

大きな音や魔法によって集まってきたリザードマンにオブリガートは、焦げたコートを払いながら、目を赤く光らせながら言った。


「ふむ、なるほどな、我が友よ。一体は処理したか」

一体の魔族が、空中に投影された画面越しにフォスキアの街に起こっていることを眺めている。その魔族はオブリガートを見て、無機質に我が友と呼ぶ。

「反逆者フーガ。魔王軍の障害となり得る存在か、はたまた、ここで絶えるのか。私としてはぜひとも、転覆まで成し遂げてほしいものだな」

低い声で独り言をぶつぶつと言いながら、その魔族は大量にある魔石を、触手を使って器用に動かしていた。

次回 第十七話『リザードマン包囲網』

1/10 (土) 20:00更新予定

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