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第十四話 トップ・レヴェル

【お詫び】

前回(第十三話)についてストーリーの展開として不自然になると感じたため、冒頭の一部を変更しました。勝手な変更をして申し訳ありません。

変更点(前後略)

『フーガたちを見送ってしばらくした』→ 『フーガたちを見送ってしばらくした』

『退けてほしいとのことで三時半までに広場へ来いというものだった』→『退けてほしいとのことで三時半までに広場へ来いというものだった』

________________________

カノンがグースカ寝てる間にトップクラス二体が接触してた。

フォスキアに雷鳴が轟く。空中でニヤケ面の竜人と不敵な笑みの鳥人が見合っている。いかにも緊張状態のようだが、二体共に笑っている。雷雲はラルゴの周囲が特に強くなっている。

「魔力による天候変化……きみ、本当にTopクラスの真ん中で済んでるの?」

「こっちにもいろいろあってねぇ」

ラルゴが首を傾けてこきこきと鳴らすと、手が黒い鱗に包まれ白く太い爪が生えた竜のそれに変貌し、そのまま一瞬にしてエピックの眼前へ突っ込む。会話の後、零コンマの隙に接近されたエピックは竜の爪で頭を掴まれる。

「クッソ、コイツっ!」

ラルゴはエピックの身体をぐいんとぶん回し、空中、斜め上の方向に投げ飛ばす。そしてそこへ、右の手のひらを向けて腕を伸ばす。

「フードゥル。と、"フォーコ・ル・ポワ"」

そう静かに唱えると、左手から撃ち出された電撃が空中を走り、ぶち当たって轟音を鳴らす。直撃したかのように見えたが、エピックの目の前には砕けた鉄の壁があった。壁によって阻まれた視界が開けると、時間差で放たれた巨大な火球が、ゆっくりと目の前まで迫ってきているのを見た。

「……どうせまだ終わんねぇだろぉ」

ラルゴが呟くと、火球を突き抜けて、体長2.5メートルほどの巨大な白い鳥が炎をまとって突っ込んでくる。そして、それをただ予期していたことが起こっただけのように、腕に竜の鱗をまとわせてその腕を顔の前に出して防御しようと構える。その鱗に白い鳥のクチバシが突き刺さると、衝撃でラルゴは地面に叩きつけられた。地面に足をめり込ませ、立ったままラルゴは視線を上に向ける。そこにいる鳥は、衝突の衝撃でしびれて動けなくなったまま、遅れて地面に落ちて来た。

「素の竜としての力の上に派生魔法まで……さすがにシビれるよ……」

「結構やるじゃねぇかぁ?」

白い鳥の姿になったエピックはよろめきつつも、多少焦げついた翼をばたつかせてバランスを取りながら立ち上がる。その姿を見ながら、ラルゴは悠々とタバコを一本取り出し火を付ける。最初に接触してから数分。この時点で、エピックはこれの結末の察しがついているようだった。

「竜化は」

「疲れるからしないよぉ。この街の何かが壊れても怒られそうだしねぇ」

初めにつけられた傷から垂れた血を親指でピッと拭い、咥えたタバコを持って煙を吹き出す。

「ナメきってかかったのは悪く思ってるよぉ」

ラルゴはにたりと笑う。エピックは飛び上がり、初めにしたのと同じように火の玉と金属片を作り出す。

協和音(コード)!”トール・バレット”!」

視線を下におろしたまま喋るラルゴに向かって、空中から熱せられた金属片を放つ。全てがラルゴに命中し、砂埃が舞う。

「だけどよぉ……」

砂埃が晴れると、そこには身体に張られた鱗を解いている途中の、無傷のラルゴがいる。多少の隙くらいは作れると思っていたエピックは動揺してその姿をただ見つめる。

「やばコイツ……」

「オレの強さ見誤ったそっちも悪ぃよなぁ?」

右腕をゆらりと真上に上げ、

「"フードゥル・ラ・シュット"」

握る。その瞬間、上空を渦巻いていた雷雲がピカッと光り、エピックの背に雷が轟音を鳴らして落ちる。強力な雷が直撃し、エピックは余力で翼をばたつかせながらゆっくりと地面に落ちた。

「どうだぁ。観念したなら街から出てってくれぇ。オレの仕事が終わるからなぁ」

「あー……無念だねほんとまったく。記者として恥ずかしいもんだ」

エピックは人型の姿に戻り、半笑いに言いながらよろめいて立ち上がる。そして頭の後ろをかきながら飛び立とうとする。

「反逆者の取材のつもりだったんだ。でも、また今度どこかで出会ったときかな」

「待て」

「へ?」

咄嗟にラルゴが呼び止めると、気の抜けた声が不意に出てきた。

「反逆者って、スライムのことかぁ」

「え、あー、そうだよ。知ってたの」

「そういうことならぁ……早く言ってくれりゃあ良かったんだけどねぇ……今からでも遅くないぜぇ?」

もう一度ラルゴはにたりと笑い、右手を差し伸べる。一時はエピックは呆気に取られたようだったが、すぐに笑みを浮かべる。

「……おお、ご存知だったか。これは心強い。ラルゴ先生」

くすりと笑うようにしてから言い直し、差し出されたことに応じるように右の翼をその手に合わせた。


「へぶっしょい」

「うわっ、火吐いた」

「だいじょうブ、?」

「ふわぁ……どれくらい寝てました……?」

雷雲が引いた頃、カノンが目を覚ました。

次回 第十五話『灰色の集会場』

12/27 (土) 20:00更新予定

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