5/10
タイトル未定2024/11/17 11:57
「ねぇ、ねぇ!!」
「うわっ!なんだ朝っぱらから」
突然後ろから肩をガシッと捕まれ、耳元で大声を出された。
キーンと耳が痛い。
耳を抑えながら振り返ると、案の定2人組の女子がいた。
1人は黒髪ショートで、どう見てもダウナーな雰囲気で、クールっぽいのに、内面が元気っ子の稲見朱里。
もう1人はもはやこの学年では無いのに入り浸りすぎて馴染んでしまった1年の新田陽葵。
ぱっちりと大きな目と、本人曰く無表情らしいけど、標準で口元は微笑んでいように見える。
活発そうな見た目と反して、朱里にピッタリ張り付いて離れない後輩だ。
「先輩、知らない?」
「何をだよ」
「はっはーん、おっくれてるぅ」
「おお、なんだ?ケンカか?」
「手が出る男、モテない」
「うるさい、余計なお世話だ。で、なんだって?」
「転校生だってさ」
「4月に?」
「ねー、おかしいよね。4月に間に合うようにすれば新学期からなのに、少し遅れてだもん」
「変だ、変だ」
 




