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タイトル未定2024/11/14 16:59
「買って、くれないの?」
「うっ……」
言葉に詰まる。
よく見れば、店番の子はかなり幼く見える。とは言っても高校生くらい。
黒髪ロングで、つり目気味。
凛々しい印象を本来受ける子なのだろう。
今現在はヘニョヘニョしているが。
「はぁ、これじゃあ宣伝にもならない」
「あの」
「なあに」
これくださいと言おうとして固まる。
珈琲800円。
「え、高くね!?」
「適正価格です!なんなら安いんだから!」
「珈琲だろ?」
「いい豆を使ってるのに〜」
「……分かった。分かったから、そんな目で見るな。1杯買ってあげるから」
「えへへ、ありがとうございます!」
パッと明るい表情になり、ネジを巻ききった人形のようにテキパキ動き始める。
「へー、ポットとかに保存してる訳じゃないんだ」
「しっかり、注文があってから入れるわ。見てみる?」
「うーん、なら折角だし」




