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あたなを見つめる影がある

作者: 一布


 百合は、マンションのゴミ捨て場にいた。

 好きな人のマンション。


 出勤時の地下鉄にいた人で、一目惚れだった。ずっと目で追っていた。


 ある日、帰宅時の彼を見かけた。


 彼のことが知りたい。百合は、彼の後をつけた。彼のマンションを突き止めた。


 彼のゴミを漁った。彼の情報が詰まった、宝の山。


 彼の名前を知った。堺裕太。彼は不用心で、個人情報を無造作に捨てていた。


 夜。今日も百合は、ゴミを漁っている。


 ゴミの中に、何かの説明書があった。暗くてよく見えない。スマホのライトを点けた。


 ライトの光で、影が映った。自分以外の影。


 後ろに誰かいる。


 百合は振り返った。直後、電流のような衝撃を受けた。気絶はしなかったが、体が動かない。


 百合はその場に倒れた。痙攣する体を必死に動かして、背後を見た。


 裕太が立っていた。


 スタンガンの説明書が傍らに落ちている。


「俺も百合が好きなんだ」


 嬉しそうな、裕太の声。


「だから、わざと個人情報をゴミに入れたんだ」


 裕太は、不用心な人などではなかった。

 百合の胸から、恋心以外の感情が湧き出てきた。


「俺の部屋で、いっぱい楽しもうか」


 裕太は百合を担ぎ上げた。


 ――その後。


 百合の姿を見た者は、誰もいない。


 裕太を除いて。


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― 新着の感想 ―
こ、怖っ……(´;ω;`) 百合ちゃんもやばいけど相手もかなり……。 最終的にどうなっちゃったのか、想像すると更に怖いですね。 一布さん、ありがとうございました。
ストレンジ両想い(*´∀`*)
企画から来ました!! 怖い怖い怖い((((;゜Д゜))))))) ストーカーは幻想の中の相手に夢中で、彼の真意には気付けていなかった! 見ているようでいて、彼女は彼のことを何も見ていないない…… …
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