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5 青天の霹靂(2)

投稿ものすごく遅れてしまい申し訳ないです。

次からは気をつけます!

先程聞こえた言葉はきっと、わたくしの幻聴ですわ。…え?そうですわよね?え、だってそうでないならおかしい話ですわよね?あら?わけが分からなくなってしまいましたわ。


頭の中は真っ白になり、『ありえない』その言葉ばかりがぐるぐると回っていた。



けれど、現実というものは残酷で、わたくしに容赦なく『事実』を向けてきたのだった。




「いや、冗談では無い。理由だけは何を聞いても教えては下さらなかったが、ただ、『先日婚約破棄された貴殿の娘を妻として貰い受けたい。』と…。」


父もわたくしも、呆然とするしかなかった。


本来なら隣国の皇族から妻に、と請われること自体はとても名誉なこと。

故に、後に皇妃となり得る女性を国総出で祝福し、傷一つなく皇国との国境まで送り出す。

それが彼の国へ嫁ぐ女性とその婚約者への、最大の餞となるのだ。



だからこそ、国民全員が結婚を祝福できるような相手でなければならないのだ。

取って代われる、と思わせてはいけないから。



なのに、先日我が国で最高位の位を持つ貴族、エルヴィン公爵家の跡取り息子・ゲイル様に婚約を破棄され、この一週間の間でゴシップ誌であることないこと散っ々書かれていたこの、わたくしが!?皇太子殿下の()()()ですって!?





………………はい。無理ですねわね。


「お父様、申し訳ありませんがその婚約は無かったことに「できない。」は?」



…………で き な い と は ? ? ? ? ?




「この婚約話は、皇太子殿下自身が持ち込んできた話なのだ。まず、断ることはできないだろう。」



「そんな……。」





その後は何の話をしたのか、覚えていない。





ただ確実にわかっているのは、わたくしが誰からも祝福されることのない花嫁になるということ。



(ハハッ。)


わたくしは自虐するように笑った。




これなら、お父様の元に来る前に考えていたことの方がましだった。


そう思いながら、わたくしは隣国へ行く。

絶望を心の奥底に隠して。

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