守人の初恋?……其の1
久しぶりの投稿です。
最近、忙しさが増してます……
本日も剛は買い物をしている。相変わらず、自分の好きな物が最優先の様である。
「……こんなもんかな?」
買い物に満足した剛、そのまま事務所に戻った。
「おう、買い物は済んだのか?」
「まぁな。コーヒーでも入れるか?」
「おう、悪いな……な〜んか忘れてる気がするんだよな〜……」
「気のせいなんじゃないか?」
「……だといいんだが……引っ掛かるな〜……」
守人はブツブツ言いながら、剛の入れたコーヒーを飲んだ。
[コンコン]
ノックされ、剛はドアを開ける。目の前には、かなりな美人が立っていた。年は守人と剛より少し年上といった所だろうか。
「あの〜……解決屋はここで…」
「断る!」
女性が話している途中で、守人は大声を出した。
「おわ!…何だよ守人〜、ビックリするだろ〜?」
「うるさい!依頼はお断りだ!さぁ、帰れ!」
「……あの、話だけでも……」
「そうだぞ、守人。話くらいは聞いたらどうだ?」
「聞くまでもねぇ!依頼は受けない!話は終わり!ほれ、帰った帰った。さようなら」
守人は女性を追い出す様にし、事務所のドアを閉めた。女性は諦めたのか、すぐに帰って行った。
「守人〜、酷いんじゃねぇの?」
「うるせぇな〜……10月27日、忘れてたのはこれか〜……」
「???……なんだ?」
「なんでもねぇよ!……よし、行くぞ」
「……何処に?」
「仕事だよ」
「仕事?……依頼主は?」
「依頼主は俺」
「はい?……して、報酬は?」
「……500でどうだ?」
「500円?」
「500万だよ!」
「……なして?」
「……移動しながら話す……付いて来い」
「まぁ、500万なら……して、なして?」
「しつこい!いいから来い!」
「へいへい、怒りん坊さん」
守人と剛は事務所を出た。
事務所から出て、地下室に向かう2人。
「それで、依頼の内容は?」
「……とある女性の未来を変える」
「とある女性とは?」
「名前は寺澤桃華、その人の未来を救う」
「……で、その寺澤さんは、守人の何なの?」
「……幼馴染……」
「ハ〜ン。成程ね〜……」
「何だよ?」
「初恋ってか?」
「馬鹿なのか?んな事有るか!」
「ほ〜う。それで、その女性がさっきの依頼者という訳か?」
「……何でそうなるんだよ?」
「いや、何となくだけどさ〜……多分、間違いはねぇと思うんだよな〜。ムキになってたしさ?」
「……面倒な所で勘が冴えてやがる……」
「ほ〜う、図星かね?守人君?」
「その喋り方、何とかならねぇのかよ?」
「なりませんな〜。少なくも、お前の弱味を握るまではね!」
「……このアホ」
「何だって?仕事、断ってもいいんだよ?」
「な〜んにも言ってねぇよ、このタコ助!」
「おい、思いっ切り悪口じゃねぇか!」
「おう、悪いか?」
「悪いわ!」
いつも通りの2人だが、今回の依頼は少し複雑な様である。
地下室から出た2人、約10年前といった所だろうか。
「……何時?」
「俺の高校生の時」
「ほう……して、そこで何があんの?」
「……行けば分かる」
「ほ~う、行けばねぇ……で、何するの?」
「それも、行けば分かる」
「ではその前に……」
「……何だ?」
「ほら、しっかりと仕事を頼みなさい」
「はい?」
「頭を下げて、お願いしますは?」
「……お前……」
「嫌なら、断ってもいいんだよ?」
「くっ……お……お願いします……」
「もっとしっかりと頭を下げる!」
「お願いします!……これでいいかよ?」
「大変よろしい!大人になったね?」
「死ね!」
どうやら、剛は守人の弱味が嬉しいらしい。
話ながら着いた先は、高校である。何処にでもある普通の高校の様である。
「……ここでどうすんの?」
「屋上に俺が居る」
「はい?お前に会ってどうすんの?」
「会いたくねぇけど、会う必要が有るんだよ!」
「……面倒臭ぇ……」
「俺のが思ってるよ!」
言い合いをしながら、2人はこの高校の屋上へ向かった。勿論、誰にも見付からない様に、裏口からである。
屋上に着くと、学生服を着た男子が居た。よく見ると高校生の守人である。
「……一目で分かったわ……」
「うるせぇ!行くぞ」
「そんなに急ぐなよ」
守人は高校生の守人の所に足早に近付く。剛はすぐ後ろを付いて行く。
「おい、馬鹿ガキ」
「何だよお前?」
「守人~、馬鹿ガキってさ~……」
「俺だからいいんだよ!」
「……やっぱり俺か……」
「見れば分かるだろ?」
「……驚かないの?」
「……最近色々有ったんで……やっぱりな~って……」
「……今のお前より、物分かりいいんじゃね?」
「余計なお世話だ!……さて、この力で悩んでるんだろ?」
「……分かってんだろ?」
「まぁな……で、寺澤桃華はどうすんだ?」
「……タイミングが悪ぃ……何で今なんだよ……」
「しょうがないさ。これが俺達一族の運命さ」
「……少し待て、俺達って……お前とお前は同じ守人だろ?」
「2人居るから達でいいんだよ!」
「しかしな〜……ややこしいぞ?」
「しょうがないだろ?」
「ややこしや〜、ややこしや〜!」
「……お前、それがやりたかっただけだろ?」
「バレました〜?流石は守人!」
「……アンタ、相棒変えたら?」
「そこは……やっぱりそう思う?」
「君君、俺の良さが分かるのはこれからだよ」
「……俺も分からんぞ?」
「お前は分かれ!」
少しややこしい事になりそうである。どうなるのやら。
どんな解決をするのやら……




