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俺が居ない俺の町……  作者: 澤田慶次
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誰が為に鐘は鳴る!?……其の3

ゆっくり更新、無理はしない!

疲れが抜けませんが、それもしょうがないかな~……

地下室から出た2人。

「何処?」

「安藤が30歳だな」

「う〜ん、10年くらい経ったか?」

「そんなとこだな」

何気ない話をしながら、守人と剛は歩いて行った。

着いた先はとある工場、それなりに大きな工場である。

「現在もここで働いてる」

「ここか~……なかなかいい所だな?」

「給料もいいし、確かに悪くはない。安定した職場だし、取引先も大手だしな」

「……安藤、何が問題なんだ?」

「そうだな~……本日に大きな損失を出すんだが~……安藤のせいになるんだよな~……それで、何もかもが信じられなくなって、ついでに自信もなくなって……」

「挙げ句に奥さんも信用出来ないってか?」

「その通りだな」

「……情けないな?」

「まぁな……しかし、本人は至って真面目だ」

「……で、どうすんの?」

「大丈夫、用意はばっちりさ。さて、中に行くぞ」

「おう、もうびっくりしないぞ」

「それはつまらんな」

「……お前、そういうとこは直せよな」

「や~だよ!」

楽しそうな会話をしながら、2人は工場に入って行った。


工場の入り口で呼び止められる。

「私、労働基準局から来ました成瀬(なるせ)幸信(ゆきのぶ)と申します。中を拝見したいのですが」

守人は名刺を出し、受付に話をする。労働局という事で、すぐに部長がやって来て中を案内する事となった。

「守人、成瀬って何だよ?」

「今、休んでる労働局の人間。流石に架空の人物じゃ、ここは通り抜けられん」

「な~るほど……結構考えてんのな?」

「当たり前だ!」

2人は部長に聞こえない様に、そんな話をしていた。


工場の案内を受けている最中、事は起こった。

「部長、大変です」

「どうした?」

「請け負ってた部品に不具合が発生して……」

「……納品は?」

「した物からも……」

「……すぐに確認しよう」

部長は守人と剛の存在を忘れ、工場のラインへ向かう。守人と剛は知らない振りをしながら、その後を付いて行った。

「不具合とは何だね?」

「こっちの部品ですが、閉まらないんです」

「……これは……燃費に大きく影響するな……」

「これ、まずいっすよね?」

「……試作品の時は、こんな事はなかった筈だが?」

「……多分ですけど、安藤さんが……」

「俺もそう思います。安藤さんが、治具をいじって」

「いや、私はそんな事はしていない」

「「「俺達も見てました!」」」

「そんな……」

「安藤君、話は後で……」

「防犯カメラ見れば?」

「何か分かるかもね」

守人と剛の言葉に、部長を始めとする全員がそちらを見た。

「証拠も無いのに疑うとは……」

「これで処罰なら、しっかりと監査を入れないとね」

労働局の人間の言葉とあり、部長はすぐに事務所に向かった。勿論、守人も剛も一緒である。


事務所にて防犯カメラの映像を確認した。遡る事一週間前、就業時間後に1人の男が安藤が担当している所の治具をいじっている。明らかに安藤ではない。

「これ、安藤さんを疑ってた人じゃないですか?」

「もしかして、常日頃から安藤さん……」

「……すぐに事実確認をします。必ず解決します」

部長は守人と剛に深々と頭を下げ、事務所から出て行った。守人と剛は工場の中をぶらっと見学し、そのまま工場から出て行った。


その日、安藤の居る工場は一旦ラインを停止した。不具合を直す事もあったのだが、残りは安藤のラインの事を聞く為である。

結果、安藤が美人な奥さんを貰った事と仕事をそつなくこなす事が面白くなく、安藤を覗くラインの人間が安藤を陥れ様としていた事が発覚した。

「安藤君、本当に申し訳ない」

部長は安藤に深々と頭を下げた。

ちなみにだが、安藤を陥れ様とした人達は全員がその工場から飛ばされるか、自身で退職届を書いて辞めて行った。


守人と剛、少し晴れやかな表情で歩いていた。

「後は、どうすんだ?」

「どうするも何も……安藤がどうするかさ」

「確かに、安藤自身の問題だもんな?」

「オフコース!分かって来たね?」

「当たり前だろ?……所でだが」

「どうした?」

「少し寄り道をしたい!」

「……スロットだろ?」

「分かってるじゃないか!そうなんだよ!!この時代のスロットは、そりゃあ夢があって……」

「……どんな夢だよ?」

「万枚が出るんだ!」

「……出ない事のが多いだろ?」

「そこはさ~、この天に愛されてる男がさ~……」

「誰が愛されてるって?」

「俺だよ、俺!」

「……勝率は?」

「少~し負け越し!」

「……愛されてないと思うぞ」

「い~や、俺は愛されてんだ!」

「……根拠の無い自信……何処から来るのやら……」

「とりあえずだ!兎に角行くぞ!」

「……どうせ、ダメって言っても行くんだろ?」

「そりゃあ……その通りだな!」

「……これだもんな~……」

守人は剛に引っ張られる様に、パチンコ屋に連れて行かれた。

パチンコ屋に着いた2人、意気揚々と入って行く剛と項垂れた様に歩く守人、正反対で面白い。隣同士で座り、いざ勝負となった。

始まって5回転、守人の台に7が揃う。メダルが結構出て、そのボーナスが終わるとすぐにボーナスが揃う。

「剛、壊れてないか?」

「いや、昔はこうだったらしい!よし、俺も続くぞ!」

剛は気合いを入れるのだが、結果に結び付く事はなかった。守人は15000枚を出し、剛は8万円負けた。

「……紙一重だな」

「分厚い紙だな?」

「うるせぇ!紙一重なんだよ!」

「はいはい、そうしとくよ」

剛はこの後、守人に絡んで夕飯を奢って貰った。なかなか楽しい2人である。しかし、剛がギャンブルで勝ってる所を見た事が無い。

「うるせぇ!勝ってる所にスポットが当たらないだけだ!」

……だそうです。

剛のギャンブル運……解決出来ないだろうな~……

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― 新着の感想 ―
[良い点] 剛のギャンブル運の無さは西田に匹敵しそうですね(笑)
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