日本を変えろ!坂本竜馬暗殺阻止!……其の3
深まる謎……
地下室に戻った2人、そのまま今までの情報を整理していた。
「坂本竜馬は、千葉道場に居る頃から日本の未来を考えてただろ~……」
「そうとしても、かなりの剣の腕前だったな?……あれだけの腕前が有りながら、銃に頼った生活になるのか?」
「お~、剛にしてはまともな答えだな?」
「おい、してはとは何だ!……それより、どうしてお前があんなに強いんだ?」
「武芸一般は出来るって言ったろ?」
「それにしてもだな……後でそれは聞くとして……どうしても、あれだけの腕前の男が、酒が入っていたとしても簡単にやられ過ぎじゃないか?」
「確かにそれも有るんだが……この時に勝海舟を知らない事もおかしいと思わないか?」
「そうだよな!……勝海舟って言ったら、この先の竜馬が一生を賭けて共にする男だもんな!」
「……どうも、俺達が考えているより……」
「ああ、奥が深いのかもな……」
この依頼、スムーズに終わるという訳にはいかないみたいである。
守人と剛は話をし、次の時代へとタイムワープをした。
地下室から外に出る。それ程大きな変わりはないが、それでも幾分か町並みは変わっている。
「おお!守人に剛じゃなかね?」
急に声を掛けられ、後ろを振り向くと竜馬が立っていた。
「どうしたとね?随分久しぶりじゃき!」
「いや~、どうしても抜けられない用事が有ってね」
「しかし……まっこと素晴らしいタイミングじゃき!将軍様に、幕府の終了を認めて貰おうと思うとって……これから大忙しじゃ!」
「……成る程、そこまで話が進んでいたか……」
「これから、まさに動乱になるんだな?」
「剛にしては、物分かりがいいね~……まぁ竜さん、何処かで話でもしようか?」
「そうじゃね!勝先生の所が良か!」
「勝?……出会ったんですか?」
「まぁ……そうじゃな……ここ最近、出おうたんじゃき……とりあえず、儂に付いて来ると良か」
守人と剛は竜馬の後を付いて行く。
「守人、竜馬さんどうも歯切れが悪くないか?」
「気付いたのか?……まぁ、勝海舟は留守だろうな……それで、何となく糸が繋がる」
「???」
守人と剛はひそひそと話をしていた。
なかなか大きなお屋敷に着いた3人、竜馬は気にせずに中に入って行く。竜馬が入ってすぐ、使用人と思われる男が出て来た。
「勝先生はおるんかね?」
「今は留守にしております。しかし、竜馬様が来たら好きに使って構わないとの事です。さぁ、どうぞ」
「恩に着るき……さぁ、入ろうぞ」
竜馬に案内され、守人と剛は屋敷の中に入って行った。
屋敷のとある部屋に通され、使用人がお茶を持って来た。周りには本がたくさん積まれ、船に関する書物も多い。
「凄いと思わんか?……あの海の向こうに、物凄い文明が栄えちょる。この国も、そういった国を見習うべきじゃき」
「違う文化を見る事も、進む為には重要だよな」
「流石に守人じゃ!よう分かっちょる!……そこで、この国を変える為に、儂と一緒に戦て欲しいんじゃ」
「……犠牲が出るぞ?」
「それでも……このままでは、この国はいかん。時期に腐るき……」
「……事情が有って、全てに協力とはいかないが……古き物を守る人間も居る。新時代、そう上手く行くのか?」
「そこは考えが有るき!……儂は、ここに殆どおる。出来る限りで構わん。協力をお願い奉る」
竜馬は守人に頭を下げた。
「出来る限りになるが、ちょいちょい顔を出すさ……勝海舟にも会ってないしな」
「それは有難い。よろしく頼む」
話が付いて、守人と剛は屋敷を後にした。
屋敷を出てすぐ、守人と剛はお店に入る。そこで、軽く食事をする事にしたらしい。うどんが2人の前に出て来た。
「剛、静かだな?」
「……どうもな……竜馬さんの姿を見て、初めて会ってから数年だと思ったんだが……数年で、勝海舟の所に入り浸るなんて事が有るのか?……勝海舟なんて、全然知らなかったじゃねぇか?」
「勝海舟……謎を解くには、この人物が外せない……この人物こそ、歴史の謎という所かな?」
「しかしな~……どうしても納得出来ないんだよな~……」
「どうしたんだ?」
「だってさ~……竜馬さんは、全然得をしないんだぜ?生きてたとしても……なのに、命を賭けるなんて……」
「立派な人間か?」
「そりゃあ立派だけど……聖人じゃねぇんだ、そんな考えを持てるとは思わん。新時代の為には、血が流れるのも仕方ないと言ってるしな……」
「謎は深まるばかり……そんなとこか?」
「そうなんだよ……守人、何か知ってるだろ?」
「いや、今は推測の域だ。追々分かるさ」
2人はうどんを食べ、地下室に向かった。
次の時代にタイムワープした2人。町並みはそれ程変わらないが、何処となく空気が違う。
「少し重々しいな?」
「……どうやら、幕府最後の時が迫ってるみたいだな」
2人はそのまま、勝海舟の屋敷に向かった。
勝海舟の屋敷に入ると、使用人が竜馬を呼び、竜馬と勝海舟が2人の前に現れた。
「久しぶりじゃき!どうしたんじゃ、守人殿?」
「いや、こちらに丁度来る用事が有ってね」
「折角じゃき、勝先生、上がって貰ても……」
「構わん、私も話がしたい」
「それでは……」
「失礼致します」
守人と剛は奥に通された。
「本当に久しぶりじゃき!」
「そうか?それ程じゃないんじゃないか?」
「守人、数年振りだぞ」
「はっはっは、なかなか面白い御人じゃないか?少し、話をしたいと思うがどうかな?」
「俺は構わんよ」
「俺も別に……」
「竜馬殿、少し外してくれないか?」
「分かったき……2人共、ごゆるりと……」
竜馬は部屋から出て行った。
「すまないね、時間を取らせて……」
「いや、別に……」
「大した事じゃない。所で、時代は変わりそうか?竜さん?」
「はぁ?……大丈夫か、守人?」
「他の者は知らんが、俺の目は誤魔化せないと思うぜ?……だろ、竜さん?」
「…………つくづく、喰えんお人やね……」
勝海舟と名乗る男から、何とも聞き慣れた言葉遣いと声が聞こえた。この依頼、本当に謎だらけである。
どうなる?




