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第一話 いざ、異世界へ

ここは神界、神々が暮らす場所。その神界のとある神の領土でのこと。


「今から君たちには私の代わりに異世界に行って世界を救ってもらうよ」


 女神を名乗る者がそう言った。

 それに対して僕ははっきりとこう言った。


「嫌です」


 どうしてこんな事になったのか、それは数時間前に遡る。





 僕の名前は神代かみしろ れいという。

 一人暮らしでごく普通の人生をおくっていた普通の高校生だった。髪は長くよく女性だと間違われた事があるが、それ以外はきっと普通の高校生のはずだ。


 ピピピピ、ピピピピ、とアラームが鳴り響く


「もう朝か……」


 僕はそう言ってアラームを止めると、制服に着替えた。


 そしてリビングの方に行くとテーブルの上にお金が置いてある。


「今月の生活費か。顔ぐらい見せてくれれば良いのに……」


(ていうかこの金……もし泥棒が入ったらどうするつもりなんだろう? 絶対に盗られるよな)


 僕は今更ながらそう思った。


 僕の両親は僕が小学生になった時あたりからずっと家を空けている。なんでも仕事が忙ゆしいんだとか。

 毎月必要なお金を置いていってくれるが、僕は小学生以来、両親の顔を見たことがない。


 僕はその金をしまった後、テレビをつけて朝食を適当に作って食べた。


 するとテレビで小学生の女の子が死亡というニュースが目に入った。


「……奏華そうかを思い出すな」


 僕には奏華という妹がいた。だが僕が中学生の時に交通事故により亡くなってしまった。


 そんな孤独な僕に突如としてそれは起こった。


 地震だ。

 しかもかなり大きい地震で家にあるいろんなものが倒れている。


 そしてついにこの家がミシミシと音を立てて崩れ去ったのだ。



 ――気づけば僕は知らない場所にいた。目の前にはいかにも眠そうな感じの人と……


「!! もしかして奏華か!? どうして……いやそれよりもここは? 僕やっぱ死んだのか?」


「お兄ちゃん。落ち着いて一から説明するから。…………この人が」


(多分、説明出来なかったんだろうな。だから隣の人に押し付けたんだろうな)


 僕はそう思いつつ、昔とあまり変わらない妹を見て少し安心した。


「はぁ……眠いのに……仕方がない。とりあえずまずは説明する前に名乗らせてもらおう……。私は夢を司る女神でリームという……。以後よろしく〜」


 その後、自分がどうしてここにいるのか説明された。妹のことも説明された。


 どうやら僕は間一髪のところで神様によって神界とやらに連れてこられ助けられたようだ。

 そして奏華は死んだ後、異世界への転生候補として神界に連れてこられたようだ。


「けど……君の妹が行く予定だった異世界は、人には厳しいという訳で私が行くと言う事になっちゃった……だから」


 そして女神リームはこう言い放ったのだ。


「今から君たちには私の代わりに異世界に行って世界を救ってもらうよ」


――そして現在に至る


「君の妹との交換条件で君を助ける代わりに行ってもらうって事になってる……だから拒否権はなんてないよ」


「いや、人には厳しいから神様が頼まれたんじゃないんですか!?」


 零は精一杯神様の条件を断ろうとしたが……


「でも私、お兄ちゃんと一緒に異世界に行きたい!」


 と奏華が駄々をこねる。

 そんな妹を見て零は暫くの間悩んだ後、諦めて異世界に行く事にした。


「はぁ……ほんとに大丈夫なのか?」


 零がリームに問う。


「大丈夫……まぁ私もナビとして着いていくから安心して」


「楽しみ♪」


 奏華はとても嬉しそうだった。


「……それじゃあ、いざ異世界へ」


 リームがそう言うと僕たちの足元に魔法陣のようなものが展開され、その魔法陣の光で視界が真っ白になる。


 そして視界が回復するとそこは見知らぬ草原だった。


「さて、到着したね」


 とリームが言う。

 すると奏華がこう言った。


「あれ? 神様小さくなってる」


「まぁ、あくまでナビをするだけなので……戦闘時とかは小さい方が安全だなと思った」


リームがそう答えると零が俯いている事に気づいた。


「どうしました?」


「いや、どうして僕の服、女の格好なの!?」


 零の服装は誰がどう見ても女性の服であった。


「だって……顔立ちとか声とか女の子っぽいし、別に良いかなって……」


「良い訳ないだろッ!!」


 零がリームにそう叫ぶと零の姿を見た奏華がこう言った。


「お兄ちゃん……可愛い……」


「可愛いって言うなーーー!!」


 こうして零と奏華は異世界にきた。だが、このときこの世界が常識の通じない世界である事は知る由もなかった。


※この後、零の服は元の服に戻してもらいました。

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