12話 その11
日が落ちて来たのでそろそろ移動が難しくなってきた。
森の中で野営にならずに済んで幸いだった。
森だと夜襲し放題になって一睡もできなくなる。
睡眠不足は肌の敵!良かった良かった。
近くに川が見えてきた。
水浴びも出来そうなのでそこに護衛が全員で野営の準備を始めた。
一時間後暗くなってからクイル兄達が戻って報告を聞いた。
「数多い召喚陣があった…姫を狙った何処の貴族の仕業だろうな…」
「き、気づいてたか、流石だ…クイル、ネイビー」
「この時期にラーズ王国で聖都に行くと言ったらすぐ気付くわ…」
「たから、君達に頼んだ、黙っててすまん…」
「まあいいさ…しかし、失敗したからには…益々過激になるだろ…」
「そうね……」
「心配ない、近衛も優秀だし…あいつもいる」
「ああ、敵に回したくないね…」
三人はハルトがいる場所に目を向けた。
「ふんふん♪焼肉焼肉♪ジューシーな肩肉♪タレつけて~コンガリ焼いて~ママの味♪♪きゃっほー♩あっ!ロールケーキも切っておこう!」
エプロンをかけて鼻歌を歌いながら肉を焼いているその姿は…緊張感などカケラもない専業主婦の鏡のような姿だった。
「……………」
「ある意味…頼もしいな」
「なんかうちらバカみたいじゃん…」
三人は笑い出してクイルとネイビーはハルトにいつも通り食事の催促をした。
「ハルト…俺はお前を実の弟だど…」
「うっせ!黙れ筋肉ダルマ…それもう飽きた」
「は、はい…」
肉が焼きあがり…クイル兄は肩肉にがっついた。
肉も高評価だったが、デザートのロールケーキがメインの肉より沢山売れて…3日分を全部食べてしまった。
あと依頼主のお姉さんかロールケーキのリピートの要請が来た。




