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2話 その4

ルルさんは急に深呼吸を始めて…そして叫び出した。


「うひゃーぁぁ…なんじゃいなーありゃ…!あんなドス黒い!!デッカーイ魔力の渦…!バカなーー!」


その大声でビックリした僕はバッチリと目が覚めた。


「おー!ハルト君!目が覚めたか!」


はい…おかげ様で。


「ハルト君の異常の原因が分かったぞ!!」


彼女は深刻な表情で慌ててその原因を話そうとしたが…しかし…ルルさんの姿を見た僕の方がもっと焦って心配になった。


「る、ルルさん!!か、体が……!」


「あぁ…そんな事より、今君はまずい状況に置かれておる…」


そんな事よりって?さらっと何言ってる?


ルルさんの体は微弱に透明化が進行していた。


「ルルさん!体が薄く透けてますよ!!なんか…ヤバイ気がしますよ!!一体なんですか?」


「気にするな…いずれ今日の夜明けまでしか持たない身だ…それよりいいか!ハルト君…君は今…」


「夜明けまで…?」


衝撃的な言葉だった。


今まで時々彼女の不可解な表情や話しが…バラバラのピースを組み上げたように…僕は理解出来た。


精神的ショックでまた体が震えて来た…。


この異常な感じ…まただ。


「ハルト君!」


僕を落ち着かせようと大きい声で怒鳴るように僕の名を呼んだ。


おかげでなんとか治った。


そして彼女は真剣な表情で話しを始めた。


「いいか…よく聞いて!君は今…死と生の境界線に居る…」


「ど、どいうことです?」


あまりもピンと来ない話しに実感が湧かない。


「ふむ…この世界の人間にはない魔力が君の体には宿っている」


何にそのテンプレ的な話し?


「問題は…君の魔力は私の世界の人族と比べにもならないほどの量だ」


「魔力ですか?魔法を使う為のアレですか?」


「あながち間違えてない…その魔力が…」


ルルさんは事故が原因で、魔力が活性化してしまったのではないかと推測した。


魔力の運用によって作り出したマナを体に巡らせる方法も知らないこの世界の人間…。


そのマナを身に巡らせるパイプ役の魔力回路まで退化しているこの世界の人類…。


僕も同じく…訳が分からないがその巨大な魔力が精製したマナを貯め込むだけの状況だと言われた。


例えるなら不安定な時限爆弾人間らしい。


そして、膨張し過ぎたマナは衝撃や精神的不安定の時に暴走してしまうっとルルさんが説明してくれた。


「今回は暴走前に止めたから助かったが…また…魔力暴走したら今度こそ君は確実に死ぬよ…」


「そ、そうですか」


まだ信じられないが…ルルさんの真剣な表情と透けている体…今までの話が嘘ではないと思ってきた。



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