12話 人付き合いは慎重に…その1
ハルトが護衛依頼を受ける数日前カランディア聖王国の王都クーカランでは国王の執務室で国王と宰相が密談を交わしていた。
「我が神に仇なす少年を駆除せよ…か…」
「陛下…女神直々のお言葉でございます…無下には出来ないでしょう…」
「む…だが…子供一人に軍を動かす事は出来まい」
「神の事であるなら神殿に任せて置くべきかと…支援形で援助すれば女神様も不満は無いでしょう」
「そうしよう……問題はラーズ国か」
「陛下……この期にラーズを我が王国の傘下取り込むのは如何ですか?」
「首相も盟約があるのは知っておろう?」
「はい…だがそれはあくまでラーズ王家との盟約です」
「………なるほど」
「ラーズ国王は病死……王位を継ぐ為にラーズの姫は王位の儀を受けようと聖都へ出立する予定です」
王位の儀とは王位を継承する際、聖都の神々に国や国民の安寧を祈り王として認めてもらう為の儀式だ。
レガリア大陸全ての王族はこの儀式を行わない王位は認めない。
だが…実際、神々はそれは興味などなく見ても聞いてもない。
ただ…彼らの自己満足であり他の国への公式発表見たいなものである。
「そこを襲えと?」
「いいえ…陛下の名を汚す必要はございません…」
「ほう……ラーズの貴族を煽る…か」
ラーズ王家は民には慕われてるが王権は弱くて…国王が病死した今、権力や利権を巡って貴族達の争いが始まっている。
それの早期収取の為ラーズの姫は急いで王位の儀を行う事になった。
「姫の死を理由して盟約に基づき出兵…という形なら周辺諸国も文句言えないでしょう」
「うむ!名案だ!其方に任せよう!」
「はっ!必ずや成功させて見せましょう」
その後…創造の女神の神殿から神殿騎士200人が貿易商人団と護衛の傭兵に偽装してラーズ王国に向かって出発した。
これでハルトは神と国同士の謀略に巻き込まれる事になった。




