11話 その6
クイル兄さんは相棒ネイビーと珍しく二人のみのパーティーでかなり腕が立つ上級者冒険者だ。
たまに僕達を誘って高難易度の依頼を何度か一緒にやった事がある
剣術は中々の者で貴族から剣術指南役に何度も頼まれるほどの達人だ。
でも全部断った…堅苦しいのは嫌いらしい。
たまに僕に剣術の稽古をつけてくれたりして今はすごく仲良くなった。
「ようー!ハルト!帰って来たか!」
「クイル兄さん、お客さんだよ♪バブ~バブ~」
「頭…大丈夫か?」
……貴方のお客様のせいでイラついてます。
「元気そうだな クイル…」
「お前!……4年ぶりだな…」
クイル兄さんと古い知り合いのようだ。
その時…おじさんとネイビー姉さんが地下から出て来た。
「はぁ~やっと手入れ終わったわ…おーい!クイル?」
「ネイビーも……久しぶり」
「マリーヌ……」
「……」
この三人…何かありそうな妙な雰囲気だ
それで…僕は居心地悪くてササっと退散しようとした。
「坊主…そこに座れ」
「はぃ…」
宿に戻ろうとしたがおじさんに止められた…おじさんには逆らえない。
今までたくさん面倒を見てくれて頭が上がらない。
「彼女からの依頼だ!聖都エデールまで護衛任務だ」
「聖都まで?」
「護衛ね…」
「依頼料は金貨200枚、必要経費まで負担するらしい…やるか?」
へぇ!羽振りがいいね…まぁ僕には関係ないけど…。
「ふーむ…この時期に聖都の護衛か……仕方ない…ネイビーいいか?」
「……報酬もいいし…断る理由はないね」
「ありがとう、クイル、ネイビー…あと一人は?」
「ああ…この坊主だ」
えっ?何故そうなる?




