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11話 その3

僕達が上級エリアで探索を始めて5日目になった。


まだ33層から中々下に進めないまま行き詰まっている。


ここからは冒険者も少ない…。


それで緊急事態になっても手を借りる事も混乱で下手したら巻き込んで全滅する恐れもある。


何があっても自分達のみで解決しないといけない訳だ。


「中々しんどいわね」


「魔物達も段々強くて中々倒れないです」


イリヤとリリヤは…ドンドン体力を削られて休憩の回数も多くなった。


……何故か僕はピンピンしている。


日に日に体力がついて力も増している。


腕立てと腹筋の数を1回増やしたのがこんなに効果があるのか!?


そんな馬鹿な事はない…きっと加護の効果だ。


しかし…僕も一日でも早く最深部に行かないといけない…。


でも…双子をこれ以上危険に晒すのはしたくない。


「今日はここで切り上げようか?魔核も大分溜まったし…無理する必要はないからな」


「う、うん」


「はい……」


双子は落ち込んでいる表情だった。


理由はなんとなくわかっている…。


僕の足を引っ張っていると思っているからだ。


確かに双子がついて来られないのが原因で探索が遅れているのは事実だ。


でも…双子には感謝しきれないほど世話になっている。


彼女達に出会わなかったら…臆病な僕はまだ上の階層でノロノロやっていた。


それにいつも突っ走る僕を止めてくれて死なずに済んだ事も沢山あった。


「そんな暗い顔するなよ…最初の時より二人は凄く強くなっているよ?」


「うん…」


「はい…ありがとうございます」


完全に落ち込んでいる…。


イビルゲートから出て食事を済ませて…各自の宿に戻った。


ベットの上で…ルル姉の器を見ながら僕は悩んでいる。


双子も大事だが…僕の目的はあくまでルル姉を一日でも早く回復させる事…。


でもそれだと今のパーティーは解散しないといけない。


でも…初めて出来た仲間…大事なお友達だ。


ごめん…ルル姉。


僕はどうしようもない欲張りなやつだよ。


ルル姉に謝って僕は眠りについた。



次の朝…双子が朝早く僕の部屋に来た。


「おはよう!ハルト!」


「ハルトさん…おはようございます…」


「おはよう…どうしたの?こんな朝早く」


僕はまだ目が覚めず目を半分閉じたまま双子と話した。


「それがね…女の子のみのパーティーからスケットの依頼があってね」


「スケット?そうなんだ」


「目的地が遠くてしばらくパーティーが出来なさそうです」


「そうなの?」


「しばらく…別の人達と一緒組んでくれるかな?」


「うん」


「それじゃ行ってきますね」


「うん…いってらっしゃい」


双子は素早く部屋から去って…僕はベットに戻った。


全く真面目すぎる…そんな事の為にわざわざ来るとは……。


はああぁぁああああ?


「待って!イリヤ!リリヤ!」


目がバッチリ覚めて双子を追いかけたが…もう居なかった。


あははは……どいう事?


まさかのパーティー解散?いや…そんな事はないはずだ。


双子の事だ…きっと何が事情があるはずだ。


しかし…僕が朝に弱い事知って…こんな手を使うとは…きっとこれはリリヤの策だな。


はぁ…やられた。


しばらく一人で潜るか。


僕はまた…ボッチになってしまった。

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