10話 その2
最近この二人良く揉める…。
イビルゲートの中では揉めないからいいが…。
「しかしこんなに早く中級冒険者に上がるなんて…しかもあだ名も…ぷっ!…ごめん!クク…」
笑うなよ…。
僕は冒険者の成績が上々な割に不満だった。
「ちょっと酷くない?ティモルフラムバンプュア…って…僕、こんなに無害で平和主義だよ?」
…恐怖を導く少年って意味だ。
イリヤは爆笑してリリヤも笑いを我慢するのに必死だった。
中級冒険者になった者にはギルドの上級者達からあだ名をつけるのが昔からの習わしらしい。
そして上級者になったらギルドマスターが新しくあだ名をつけてくれるらしい。
「クク…はぁはぁ…上級になって新しいあだ名を…あははは」
また笑った!ほぅ!いいぜいいぜ!
今後イリヤのあだ名をつける時ぐ来たら面白くなお、恥ずかしいあだ名を付けてやる…
その為に頑張って上級まで上がろう…ふふふ
僕は新たな目標が出来て気合が入った。
それに中級冒険者に昇級した時…あまりも早い昇給で不満の声もあった。
僕は実力を納得させる為ベテラン中級冒険者パーティーと一緒にイビルゲートに潜った。
「うちらパーティーのやり方をやってもいいですか?」
「いいぜ」
「どんなやり方をするのか見てみようじゃないか」
「あははは」
そして…いつもの狩方を始めて…30階層で中級魔物を山盛りに釣って来た。
イリヤとリリヤが居ないから遠慮はいらない。
「はい…どうぞ」
「はい…どうぞじゃねぇよバカヤローー!」
「何をしやがる!逃げろー!」
「うわー!ヤバイ!囲まれた」
結果は…パーティー壊滅瞬前…囲まれて逃げ場もない状態まで落ちた。
それを僕一人で易々全滅させた事から皆んなは昇級に文句言わなくなった。
その事もあってこのあだ名が付いた…いわゆる自業自得だ…ちぇ。
「帰った時、あの人達、震えてたよ…一体なにしたの?」
「いつもの事やっただけだよ…30階層で…」
「あっ!……なるほど」
「あの人達…大変だったでしょうね……」




