9話 その2
僕は双子の案内で林の中を隅々探して色々な草や種と木の根の味見しながら沢山採取してナーズラ村に向かった。
これを何とか工夫すれば…調味料が出来そう!
「明日…20層に行くけど…装備のメンテは大丈夫ですか?」
「うん!ピカピカにしておいたから」
「……お金も大分溜まってるから…新しい装備に変えなさいよ…あのブリキでよく怪我せずに凌いでるのね…」
「あははは…そうたね…だが断る!」
「おい…」
あれ以上カッコいい鎧はない…。
「お願いですから…気をつけて下さいね」
双子は心配でたまらないようだが…大丈夫。
ルル姉の加護は…凄まじい。
正直…僕は全然余裕で双子に合わせているだけだ。
しかし…この先何があるかわからないし…僕に何があったら双子の身も危うい。
同士に頼んで防御力を上げてもらうか。
そして…ナーズラ村に着いた僕は宿に帰って林から取ってきた物の調合を始めた。
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次の日…双子といよいよ中級エリアの20層に挑戦する。
相変わらず双子は早く来て僕を待ってくれている。
「やっと来た…ん?」
「は、ハルトさん!どうしたんですか!その口は!」
「被れた…」
ぼくの口周りはパンパン腫れて痛い。
「あの草をどんだけ齧ったらそうなるのよ!」
「だ、大丈夫ですか?」
「うん…ちょっとピリピリして痛いけど…大丈夫」
「あんたってやつは…本当に」
「ああ…冷たくて気持ちいい♪」
「ちょ、ちょ!口を動かさない!」
イリヤは冷たい水袋を出して口を冷やしてくれた。
イリヤはいつも怒ってるが…何だかんだ僕の世話をしてくれている。
本当にこの子達と出会えて嬉しい。
僕達は気合を入れて19階層で回復薬や道具の再確認をしてから20階層に降りた。
中級エリアであって…周りは魔物だらけだった。
「二人共構えて!来るよ!」
「わかってる!」
「はい!」
僕達は何時もの陣形でやっていたが…20階層からは双子達が魔物達に手こずっていた。
このままでは長く持たない。
それでまとめ狩りは諦めて魔物達を一つ一つ確実に倒す安全な狩をすることにした。
「はぁはぁ…ごめんなさい、私が足を引っ張ってるようです」
「きつくなってきたね…もうやりがボロボロになってしまったよ」
「大丈夫…今日初めてだし…思った以上に魔物が強かったから…」
二人の武器はそろそろ限界のようだ…初心者の武器としては最高級を買ってあるが…中級エリアになるとさすがに長く持たないな。
だが…それ以上になると金額が半端なく高いから手が出ない。
地道に稼ぐしかないか…。




