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9話 高性能の物は脆い…その1

僕は双子とパーティーを始めて冒険者として成績が益々上々でもう宿費用とか装備のメンテ費用で困る事はなくなった。


「ただいま!おじさん!」


「おっ!帰って来たか!相変わらず凄い量だな…」


僕達のバックはいつも破裂瞬前まで魔核でパンパンだ。


これも双子のサポートのおかげだ。


僕一人ではこんなに上手くいかない…。


換金をしてからいつも宿に行って双子と食事をする。


楽しいひと時であるが……。


この世界の飯は味気ない。


「はぁ…この不味い飯はなんとかならんかな」


それを聞いた厨房の人の視線が痛い…。


「何贅沢言ってるの?」


「私は美味しいと思いますが…」


うへ…本気で言ってるの?


肉料理は主に塩味がメインで…パンは硬いし小麦粉の味しかしない。


はぁ…マックストルネードバーガーが食べたい…あの柔らかいパンにこれでもか!ほど挟まれたパーテとあぶれ落ちるタレ…。


くっそぉ!


「そういえば…うちの村に変な味がする草や木の種があったわね」


「うん…小さい時お姉ちゃんはなんでも口に入れて…私にも味見させて大変でしたよ!」


「リ、リリヤ…子供の頃の話はやめてよ」


あはは…イリヤらしいな。


「そいえば辛い物やしょっぱい物とか色々あったよね」


「うん…」


……今なんと!


「その話し…詳しく教えてくれ」


「急にどうしたの?顔がこわいわよ」


「いいですが…」


双子は子供の頃村近くの林で良く遊んでいてそこに植えている草や木の種をイリヤは良く口にしてたらしい。


そのまま食べて腹を壊して苦労した事や舌が腫れてご飯も食べられなかった事とか色々聞いた。


……ひょっとしたらこの不味い食事を改善出来るかもしれない。


それで次の日に双子と一緒にその林に行ってみた。


「懐かしいね…」


「うん…」


双子の父は戦争で農兵として強制的に連れていかれて亡くなった。


日本では考えられない事だが…この世界にはそれが普通らしい。


その後…母も病気で亡くなって孤児院に入ったがリリヤが他の子にいじめられていた。


その時養子の話しがあって孤児院を出たが…その後…すぐ奴隷商人に売られる事になった。


行動派のイリヤは手っ取り早くお金を稼ぐ為には冒険者しかないと判断してリリヤを引っ張ってイビルゲートに潜って僕と出会った訳だ。


イリヤは女の子なのに凄い。


がさつだけど…しっかり者で姉としてリリヤをしっかり守っている。


そんな姉が大好きでいつも心配してサポートするリリヤ…理想的な姉妹だ。


独り子の僕としては…羨ましいかった。


「ここよ!沢山生えているね」


イリヤは懐かしい顔で…その草を口にいれて齧った。


「お姉ちゃん!食べないでね…またお腹壊したりしたら大変だから」


「ぷぷっ…わかってるって!うへ…相変わらず酸っぱいな…」


僕も齧ってみた。


こ、これは…微かにポン酢の味がする!

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