8話 その9
そして…僕達はギルドに戻った。
「おー!坊主、よく無事に帰って来たな!良かった良かった!あはは!あいつら疾風定時帰りする前に早く換金しておけよ!」
おじさんは僕が無事に帰って来て本当に嬉しいようだ…。
本当にいい人だ。
でも…そのいいおじさんを…何故か双子は睨んでいた。
うん…アレか…回復薬。
ごめん…おじさん。
「ん?坊主、一人じゃなかったか?」
「はい!イビルゲートの中で会って…これから一緒にパーティーを組む事になりました」
「そうか…一人の坊主とこの嬢ちゃん達も不安だったが…一緒ならもう安心だな」
「……不安だったなら…私達にも回復薬くれても…うぷぷぷーっ!」
「お、お姉ちゃん…」
不満気に喋っていたイリヤの口をリリヤが塞いでくれた。
そして…魔核や素材を換金した。
換金すると…凄い金額が出てきた。
「見てよ!おじさん!チャラーン!金貨7枚と銀貨3枚!」
「おいおい…坊主どれだけ倒した?」
「ゴブリン40体ぐらいとコボルト20体?オークは沢山いったので70体ぐらいです」
「まじかよ…ならその金額は納得だな!初デビューの三人だけで良くその数倒せたな…」
「いいえ、ほぼシムラハルトさんが倒しましたよ…私達は助けられた挙句、サポートしかやってません」
妹のリリヤが自分の事のように自慢気に話した。
褒められて嬉しかったが…加護のおかげでだったのと…。
本当はビビりまくったので…恥ずかしくなった。
「坊主…人助けまで…やるな!よし!そこまで出来るなら正式登録してやる」
「本当に?おじさん!ありがとう!」
「これで一人前の冒険者だ!はははは」
僕は人助けをした功績を認められて正式の冒険者と資格を得た。




