1章 8話 女の子は可愛いほど怖いものだ その1
次の日…僕は朝早く冒険者ギルド内の地下にある鍛冶屋に来て武具と防具セットを買いに来た。
安くてお得な初心者限定装備…。
他の村のギルドにはないこのギルドのみの初心者支援制度らしい。
ここのギルドマスターは中々いい人だ。
まだ会った事ないけど…。
「すいません!」
「はーい」
作業場から金属を打ち込む音止まって女の子の鍛冶屋が出て来た。
細い体の割に引き締まった筋肉…健康的な感じだ。
ぼ、僕より強そう…怒らせないようにしよ。
「あの…初心者限定の装備を買いたいですが」
「ああ…仮免の新入りか?どんな防具と武器がお好み?」
僕は鍛冶屋の質問に悩む事なく即答した。
「性能無視!とにかく!ピカピカ!格好いいやつで!」
「………」
彼女は棒立ちで遠い目で僕を見ていた。
「……冒険者舐めてんの?」
「いやいや…本気です」
「……」
僕は性能よりとにかく見た目から気合いを入れるタイプだ。
ゲームでも何日もかけて手に入れた伝説の武器や鎧も格好悪かったら即ぽい捨て。
そう!僕はビジュアル重視派だ!
それだけは絶対譲れない。
格好いいは正義である!これが僕のアイデンティティだ。
しかしだ…初心者装備にそんなもの期待出来る訳がない…背の腹は変えられないが…。
そこは何とかカッコイイ奴を頼む!




