7話 その2
「い、異界の子を連れて来るとは…主様らしいわ…はぁ…」
「……」
来たらまずいのか?
「ん?…待てよ?雷獣の雷を浴びたと?」
「…はい」
「ハルトやら…何故生きている?」
あ?そんなの僕に聞いても分かる訳ない!返事しようがない!貴女馬鹿ですか?
と言えるはずがない。
「雷獣の雷を浴びたら…私達使徒すらただで済まんぞ…」
「僕も分かりません!何か歌が…そう!ルル姉の歌が聞こえて目が覚めました…」
「あ?歌?歌ね…………………なんだとぉ!」
歌の話に凄く驚いたレイラさんは大声で叫んだ。
周りの視線が痛い…この人普段の声も大きいのに叫ぶとエコがかかったように響くわ。
「ふむふむ…失礼した…」
「歌がどうかしたんですか?」
「ちょっと部屋に行こう…君の体を調べたい」
「ほぇ?へ、部屋で僕の体を…?」
初めて会ったのに…大胆だな!
「お、おま!何を勘違いしている!そんなの違うから!馬鹿じゃないの?」
「…はい、すみません」
「早く付いて来い!」
僕はレイラさんに素直に従った。
僕はこの世界の事は無知で知り合いもいない…。
彼女が唯一頼れる味方だからだ…何故か嫌われてる気がするがな…。
「そこに座れ…」
このシチュエーション…何か前もあったような気がする!
「じゃ、邪眼を出すんですか?」
あのイヤーな感覚!思い出すだけで鳥肌が立つ…。
いやだな…勘弁してくれよ。
「ん?そのような大技…使徒の私には出来る訳がない!」
おっ!違うの?良かった♪
「邪眼を使えるのは主神や主様とあと一人の大神しかいない」
へぇ…そんなに凄いものか…?
それを使えるルル姉は…凄い神様だったな。
そして…レイラさんは僕の頭に手を置いた。
「さて…見極めをするから…受け入れろ」
「何を言っているか意味が分かりませんが…何ですか?見極め?」
「君の状態を調べるって事だ…下界の言葉では鑑定とも言ってるようだ」
なるほど…いわゆる僕のステータスを見るって事か…。
はぁ…それを見たら…この人にゴミとか虫けらとかいわれそう…。
くそ!ちょっと体を鍛えておくべきだったな。
心の準備をしておこう…。




