6話 その3
その時、とこから声が聞こえて空から光が収束を始めた。
僕の世界ではあり得ない光景を前にして目を疑った。
[[エン・エンソフ・オルエンソフーケテル・ティファレド・イェソド・マルクト]]
「な…な…アインオウルソフだと!クソ鬼め!頭が可笑しくなったか!」
アインオウルソフ…?無限光と言われてこの世の誕生の発端と語られた神話の光融合爆発?
頭可笑しい?そんなレベルじゃないよ、メチャクチャだよ、クレイジ過ぎるよ!
「500年程拘束されると思ったが…相変わらず身内に厳しいな!」
厳しい?それで片付けれる?神様って一体どんな神経してますかぁぁぁぁ!
「ハルト君!ここから出来るだけ離れろ!焼け死ぬぞ!」
「いやだ!死んでも離さない…」
「は、ハルト君……」
怖くて体の震えが止まらない…。
でも逃げたてどこに逃げればいいの?逃げれると思えない。
それより…こんな状況でルル姉一人に出来ない。
正直に僕は臆病者、チキンだ…。
でも好きな人を置いて逃げるほど落ちぶれてはない。
空中には無数の真っ白な光が集まって来た。
収束が重なる度に熱が上がってこれ以上息すること事すら混乱になった。
「ルナファナリールカ様ぁああ!!」
「おー!やっと来たか!我が使徒レイラよ!」
空から天使のように銀色の翼が生えた重甲の鎧の姿の女性が音速のように飛んで来た。
「遅れて申し訳ございませ……ん?」
彼女はその光をじっと見て…冷や汗をだらだら流した。
「こ、これは…!む、む、む、無限光…!!!帰って早々に一体…また!何をやらかしたのですかぁぁー!!!ムキャーー!」
今、またっと言ったよね?
パニックになった彼女の言い方から察するとルル姉は…きっと、トラブルメーカーか何かだと僕は確信した。
「あはは…元気そうで何よりだが…時間がない!主命だ!この子を安全な場所に!」
「人間?……しかし、無限光の爆発には逃げられるとは思えないですが」
「奴の事だ…きっと周りに結界を張ってるはず…早急に離脱せよ!必ず守れ!早く!」
「……はっ!」
ルル姉の主命と聞いたレイラは状況を飲み切ったように僕を抱えて全速で離脱した。
「離してよ!ルル姉が…ルル姉!!」
「だまれ人間!主命で無ければ貴様などどうでもいい!今そこに投げ捨て戻りたいくらいだ!」
「ルル姉!」
「暴れるな!あれくらいで…ど、ど、どどうかなるお方ではない!」
っと言ってるが彼女は心配でたまらない顔だった。
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益々大きくなった光は周辺を火の海にして岩は溶けて森は焼けて廃となった。




