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5話 その 7



「ひーー!この感じ本当に気持ち悪ー」


ルル姉の叫び声が聞こえて僕は目を開けてみた。


光もない暗い空間にただ身を任せて流れ落ちようだった。


ルル姉の言葉通り本当に気持ち悪い…初めて高層ビルのエレベーターに乗った時の吐きそうな感じがした。


ルル姉は僕の背中から腰をしっかりと抱きしめて離れないようにしていた。


その背中から伝わる胸の感触に心臓が爆発しそうだ。


実はルル姉がガウルヤヌースだったけ?…そいつと喋ってる声で目が覚めていたが…そいつからヤバイ雰囲気がプンプンして僕はそのまま気絶したフリをしていた。


勿論、神霊スポットの真相も聞いた。


おのれー!許すまじ!私有地無断侵入で訴えてやる!


それにしても気絶したフリは中々辛くて相当な忍耐力が必要だった。


初めて会った時…ルル姉の気持ちが良く分かった気がした。


さてさて、起きるとしますか…。


「…ルル姉?」


「おーー!ハルト君、意識が戻ったかい?」


嬉しそうに僕の顔にそのスベスベで柔らかい頬をすり付けて来た。


……こっちに行く決心して良かったよ♪


「うおー!なんですか?ここ?」


暗いが…全く見えない訳ではなく少しずつ微かな光が見えてきた。


「ああ…時空の亀裂だ」


「……なんか凄い名前ですね」


「本当はこんなのあってはならない物だが…あの三馬鹿がね…」


その時、ルル姉の後ろから何かが近づいて来るのが見えた。


ピカピカっと光る何かが…どんどん近づいて来て…それを僕は本能的に危険だと感じた。


「ルル姉!なんか変な光がこっち来てるですが」


「ん?時空の亀裂に動く光?何かの異物が入り込んだ?ガウルヤヌースが守って居たからそんな事はあり得ないが……」


ルル姉もその光を確認した。


「あ、あれは……雷獣!美の女神…メルディアの使い魔が何故?そうか…向こうから入って来たか!」


門番ガウルヤヌースの最後の言葉と不気味に笑った事を思い出した。


きっとやつは知っていた。


「あのブスのババァ!やってくれる!」


美の女神をブスのババァと言ってますが…ルル姉…すげーな。


「奴にやられるのが早いか到着が早いか…くそぉ!こんなところででやられてたまるか!!」


ルル姉は襲い掛かって来た雷獣から僕を抱えたまま間一髪…ギリギリ避けていた。


「この子を守ると誓ったんだ!こんな所でくたばってたまるか!」


必死に避け続けているがルル姉は雷獣の爪に引っかかって傷だらけになった。


でも…ルル姉は僕には傷一つ負わせなかった。


全て…自分の体で受け止めている…。


「ルル姉…傷が…」


「大丈夫だ!こんなの向こうに着けば一瞬で治るから!」


そう言われても…心配にならない訳がない。


僕は動物が大好きだ…。


でも!アレたけは絶対許さない!


「出口だ!やったぞ!ハルト君!」


穴が空いたような空間から光が見えた。


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