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3話 5
ある海辺で一人の少女が海から流れて来た死体を枝で突いていた。
「………人族?」
「ラシュトル二!!お待たせ!…ってし、し、死体?」
「あっ!早かったね、レーイミ、何があった?」
「ちょっとだけね…」
森から出て来たレーイミという少女が両手の平の木の実を見せた。
「節約すれば、2日は食べれられそうね…」
「はぁ…お肉…腹一杯食べてみたいな」
「レーイミ…贅沢言わないの…」
ラッシュトルニとレーイミは頭にウサギ耳と小さなツノ、丸く柔らかそうな尻尾が生えているラプス族(角兎人族)だった。
「それより…その死体…海に落ちて流れて来た漁夫には見えないね…」
「死体じゃないよ?息してるよ」
「え?」
その死体と間違えたのは津波に流されたハルトだった。




