3話 1
ハルトが流されて魔王軍艦隊とリヴァイアサン、バルトゥールは周辺の海域を捜索しているが見つからず…。
「お兄ちゃんがいない!お兄ちゃんがいない…あっ!お兄ちゃんだ!今こそ人命救助の人口呼吸のチャンス!うおぉぉお!」
空中からハルトらしき者を見つけたバルトゥールは海に飛び込んだ。
「お兄ちゃん!今熱いキス…いや人口呼吸を……」
「離せ!ガキ…俺はペタンコと幼女には興味ない!ふっ…もうちょっと出るどこ出てから出直しな」
それは後ろ姿だけハルトに似た人魚の男だった。
「おい…冗談はその面だけにしろ…ふん!」
パッカン!
バルトゥールは人魚の顔面にライトフックを決めて…人魚は果てしない水平線に飛んで消えた。
「はぁ……しかし…一番バレたくない奴にお兄ちゃんのことバレてしまったよ…あいつと関わるとロクな事がないのに…出くわした早々これだよ…」
バルトゥールは憂鬱そうな顔で海を見ながらブツブツ独り言を始めた。
リヴァイアサンも水面から顔を出して捜索を一旦中止した。
「見つからないね…バルちゃん…主様がとこにいるか感じないの?」
「この海域からお兄ちゃんの魂は感じられない…随分と遠く流されたかも…」
「そう……まあっ!あれぐらいでどうにかなる方では無いから心配は要らないと思うけど…」
「おい…レヴィ…そうなんだが…それをお前に言われると腹立つんだよ!このバカ!!」
バルちゃんがリヴァイアサンの顔を思い切り蹴った。
「痛い!辞めてよ!もう…昔と全く変わって無いですね!その凶暴な性格!」
「はっ?凶暴?今凶暴と言った?海が騒がしいとか言って戦さの最中の人間達に切れて国二つを一夜に滅したお前が言うか?」
バルトゥールとリヴァイアサンは昔から顔馴染みのようだ。




